MONSTER

2016年4月19日 著

光学ドライブを買い換えたことで無事にリッピングできてからというもの、小谷美紗子さんの初めての弾き語りオールタイムベスト『MONSTER』をひたすら聴いています。弾き語りというスタイルは、小谷さんの原点と言って良いと勝手に思っているくらい、小谷さんにとって象徴的なスタイルであると思うのですが、なぜ今まで弾き語りオンリーのアルバムが作られなかったのか......不思議。

当たり前だけれど、ピアノの音と小谷さんの声だけで構成されたこのアルバムを聴いていると、まるで自分が弾き語りスタイルのライブ会場にいるかのよう。前奏だけではどの楽曲かちょっと予想がつかないようなアレンジもまた、そういう感覚を呼び覚ましてくれて楽しい。そして気のせいか、一曲一曲が本当に魂を込めて、丁寧に・大事に歌い上げているように感じられる。

過去20年の間、なぜ僕は小谷さんの創り出す音楽に惹かれ続けてきたのか......時折考え、無理やり言語化してみては納得いかなかったりしたのだけれど。この『MONSTER』を聴いていて一つ思い浮かんだのが、「凛」というキーワード。小谷さんが自身のキャリアを通じて貫いてきた中に、僕が「これは凛だ！」と認めるところの何かが確かにあって、それがピアノの音色や彼女の声、言葉に表現されていて。そこに惹かれ続けているのかな、と思いました。

スペシャルサイトには、デビュー20周年プロジェクトの第一弾作品とあるから、ひょっとして第二弾、第三弾もあるのかしら......などと期待しつつ、焦らずじっくり聴き込んでいこう。弾き語りTOUR「MONSTER」のチケット先行予約も、既に申し込みました（仙台＆東京）。再び生で弾き語りを味わえる時を、楽しみにしています。