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Re: Webアクセシビリティが無視されすぎで気にくわない。

大塚ビジネスサービスの上野さんがお作りになったスライド「Webアクセシビリティが無視されすぎで気にくわない。」が話題になっています。先週末に公開されたばかりにもかかわらず、はてブでホッテントリ入りを果たし、あっさり 8,000 ビューを突破。Webアクセシビリティおじさんとしては、その人気っぷりに嫉妬せざるを得ませんね......やはり煽りを入れた方が、耳目を集めるには適しているということなのでしょうか。

しかし、基本的にこの手の煽りは大抵ブーメランとして自分に返ってくるものだから、余程のことがない限り使いたくない手法ではあります。感情的には、確かに無視されすぎで気にくわないと感じることもなくはないけれど、じゃあ無視されないために自分がどれだけのことをしてきたかを問われれば、「申し訳ございません」としか返しようがない。煽るのでなしに、そういう業界なり社会なり環境を変えるために自分にできること、を探しては着実に実践していきたいと思う次第です。

もっとも、そういう個人的なスタンス、信条を上野さんに押し付けるような意図は毛頭なく、上野さんにとってOBS勉強会という場、コンテキストには煽りが必要と考えたうえで作成されたスライドなのだろうし(注:自分はOBS勉強会に参加していません)、Webをより良くしたいという根っこの部分では僕と共通していると思うので以下略。

ただ、このスライドからすると、単に上野さんが愚痴をこぼしている「だけ」に受け取られてしまいかねないのは、勿体ないし一部には誤解を招くかもしれないと思いました(自ら基本的には、いつものとおり、愚痴。とお書きになっているだけに)。僕は上野さんと面識があって、どれだけWebアクセシビリティに熱心に取り組んでいらっしゃるか、その一端を知っているつもりですけど、おそらくスライドをご覧になった方の多くはご存知ないでしょうから。ちなみに、誤字(「出展」ではなく「出典」)やアルファベットの大文字/小文字の使い分けが適切でないところ(w3c, www, css, javascript)は直していただいた方が良いと思ったので、Facebookでご連絡しておきました。

あと、はてブ「HTMLは文書である」っていうのが時代遅れな気がとかもう文章って言い張るには限界があるくらいアプリケーションとして成り立っているものが多すぎると思うというコメントがあったけれど、確かにそれはそう。同じレベルのアクセシビリティを担保するにも、文書志向のWebコンテンツとアプリケーション志向のそれでは、かかる工数や前提となる知識に乖離があると思っていて、一括りに論じるには注意が必要と思っています。WCAG 2.0にある達成基準の粒度までは一括りにできても、そこから個別の実装方法の話となると、なかなか......。

[ 2016-02-01 追記 ] ご本人による補足、"Webアクセシビリティが無視されすぎで気にくわない。"について - ecocatsが公開されていました。

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