Unstyle
著
UnstyleというiOS用Webブラウザーを、黒澤さんのつぶやきで知りました。Unstyleは「最速の」Webブラウザーを謳っており、それもそのはず、HTMLファイルをWebサーバーからダウンロードするなり画像やCSS、JavaScriptといった外部リソースへの参照を削除のうえ(それらを一切ダウンロードすることなく)表示するらしいです。
いかに表示速度が速いと言っても、制作者スタイルシートが適用されなければJavaScriptも機能しない状況で、つまり素のHTMLだけでコンテンツを利用できる(ないし「利用しやすい」)Webサイトって、どれだけあるのでしょうね。当サイトぐらい素っ気なく装飾もない、いにしえのテキストサイトのようなWebサイトはさておき......。
気になるのは、果たしてこのWebブラウザーがいかなる理由なり動機をもって作られたのか? ということ。無料のアプリとはいえ単なるネタ、ジョークアプリというわけでも無さそうですし(何となくだけど)。@unstyleappのほうで、コンテンツブロッカーを有効にするより良いよ!みたいなことをつぶやいていますが、コンテンツブロッカーの登場が議論を呼んだのと同様、これはこれでWebの有り様なりWebデザインに一石を投じようということなのかな。
Web技術、具体的にはHTMLやCSS、JSの何たるかを知らぬ一般人からすれば、Unstyleを使ったところで延々「壊れた」Webを見させられているとしか思わないでしょう。なので、Unstyleが流行るとも普及するとも思わない。そう考えると一層、Unstyleの存在意義がどの辺に意図されているのか、興味深い。
ユーザーのコンテキスト(デバイス、通信速度 etc.)に最適化されたコンテンツというのを考えたとき、現状のように何かとクライアント側で頑張るより、もっとCMSなりサーバー側で対応するのが当たり前になると予想しているのだけれど、Unstyleの作者さんもそういう未来を志向してたりして。その仮定においてUnstyleは、何でもかんでもクライアント側で解決しなさんなというメッセージに映らなくもない?......無いなw