リーダーシップ3.0
著
しばらく読んだ本について覚え書きしていませんでした。全く本を読んでいなかったのかといえばそうではなく、なんていうか書くのが億劫になっていただけ。というわけで個人的にはリハビリっぽい感じがするけど、『リーダーシップ3.0』について覚え書きしておくなど。ある意味「はじめに」で引用されている一節、
「英雄のいない国は不幸だ」との言葉に対して、ガリレイはこう語った。
「そうではない。英雄を必要とする国が不幸なのだ」
が本書の言わんとしていることを総括しているのではないかな。組織において求められるリーダー像というのは、割と普遍的な印象を持っていたのですが、時代背景によって代表的なタイプが変わってきていることを学びました。どのタイプが機能するかは、あくまで組織の成長過程(というか置かれているステージ)なり特性次第とは思いますが......3.0、というバージョン番号については、同じく「はじめに」から引用すると
中央集権的な権力者のリーダーシップ1.0から、同じ権力者でも分権を指向した1.1の時代、調整者の1.5、そして変革者の2.0などとなっている。そして現在は、支援者のリーダーシップ3.0の時代であるということを明らかにしたい。
という、著者の主張を反映してのもの。そうした変遷なり類別自体、なかなか興味深かったけれど、ほかにも印象的だったのは「地球にとって」という表現が何度か登場すること。たとえば
組織を率いるリーダーは、地球にとって良いことを行う、正しいことを行うという観点から評価をされるようになる。
といった具合。そもそもリーダーシップ3.0の概念には、正しいことを行なう、地球に良いことを行なう
というのが含まれているらしい。グローバル化、という言葉がもてはやされるようになって久しいけれど、要素還元主義からの脱却みたいなニュアンスを微妙に想起させられつつも、地球規模で考えることの重要性は腹落ちしました。それはすなわち、後段の永平寺のお話に出てくる全員が全体最適を考える
ということにも繋がるなぁと。