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デザイニングWebアクセシビリティ

先行して発売された副読本『コーディングWebアクセシビリティ』とのツーショット

BAの太田さん伊原さんの執筆された『デザイニングWebアクセシビリティ』が、近く発売されます。自分は査読協力というかたちで出版にちょこっとだけ参加させていただいたのですけど、その経緯もあって勤務先に先日、見本誌が届けられました。編集を担当された岡本さん、ご配慮ありがとうございます。御三方には、発売に至るまでの経緯を思い返せばこそ、お疲れさまでした&出版おめでとうございます、とお伝えしたいです。

既に多くの方がご存知かと思いますが、本書の発売日は繰り返し延期されてきました。しかし僕自身、監訳として書籍の出版に何冊かかかわってきた経験からしても、案件業務などをこなす傍ら書籍を執筆することがどれほど大変か想像に難くなく、結果的に大変な難産となったのも致し方ないかなと。もっとも、「進捗どうですか?」って太田さんに聞くたび「書いてます!!」って真顔で逆ギレされなくなるのは、少し寂しい気もしますが。

でまぁさんざん待たされただけのことはあって、本書は実に素晴らしい構成と内容になっています。ガイドライン遵守に重きを置いた、いわゆる「守りのアクセシビリティ」本に対して、本書はユーザビリティやIA、ワークフローをも包含した「攻めのアクセシビリティ」本。アクセシビリティ、という単語がタイトルに入っているものの、詰まるところ正しいWebデザインについての本であり、職種・職域・肩書きを問わずプロのWeb制作者全員におすすめできるものです。

WCAG 2.0JIS X 8341-3といったガイドラインを守るのは手段であって目的ではなく、多様化するユーザー/デバイス/コンテキストに対応できるようコンテンツを実装することが目的。その点において、Webアクセシビリティの確保はWebデザインと不可分であり、ましてやそれが「障害者・高齢者のためだけに求められる」などという狭量な理解は、もはや過去のものです。本書が、概してそのような「本来あるべき」Webアクセシビリティの啓蒙書として機能することを期待しています。また願わくば、Webデザイン教育の現場で、本書が教科書として採用されますように。

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