商談に結びつける 売上をあげるためのBtoBデジタルマーケティング入門
著
Web広告研究会やウェブアクセシビリティ基盤委員会などで大変お世話になっている増井達巳氏が共著されたKindle本、『商談に結びつける 売上をあげるためのBtoBデジタルマーケティング入門』について。本書は、増井氏がまだキヤノンマーケティングジャパン株式会社に在職されていた当時に出されたもの(現在は独立してコンサルティング等を手がけていらっしゃいます)。もう一方の共著者である清水誠氏はアクセス解析方面で著名な方で、過去の一時期には楽天に在籍、そして今はAdobeにいらっしゃる方ですね。
構成としてはまず増井氏が「キヤノンウェブマーケティングの戦略と実践」というテーマについて書き、次いで清水氏が「コンセプトダイアグラムによるKPI設計とアクセス解析」の章を執筆。最後にトークセッションというコーナーがあって、お二人の対談が掲載されています。まるでカンファレンスか何かの構成のような本なのですが(2本の講演の後で対談が続くみたいな)、特にそういうわけでもないっぽい? まずそもそも論として、デジタルマーケティングの導入にあたり
経営者からの期待がない、ターゲット層との親和性がない、事業との親和性もない、ということであれば、いくら頑張ってKPIを設定しても効果が見えてきません。効果が見えないから予算がとれませんし、継続性がないということになります。
という増井氏の指摘、至極ごもっともでありながら割と見過ごされがちなポイントではないだろうかと思ったり。また、新たなコンテキストを作るためにデジタルマーケティングを使うのか、あるいは既存のコンテキストを増幅させるために使うのか
というポイントもまた、戦略を考えるうえで大事だなと思いました。トークセッションの中では
改善できないもの、次のアクションがないものはKPIにしない
BtoBの場合には改善するために次のアクションを起こすのはウェブチームではないケースが結構あります
分析に基づいてアクションするという文化がないとなかなかうまくいかなかったりします。そこを乗り越えるような社内のコミュニケーションが大事
ウェブだけのアクションが全てのBtoBの行動パターンだと勘違いしないように、いろいろなタッチポイントで得られたデータを集めてきてダッシュボード的に見せる
次のアクションのためにはどんなKPIが必要かを選んでいけば複雑にはならないのではないか
といった言及が参考になりました。