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九州経済産業局のウェブアクセシビリティ方針とかWCAG 2.0 実装方法集とか

僕はGoogle アラートに「アクセシビリティ」という単語を登録していて、それに関する新着コンテンツの有無をチェックするようにしています。そのGoogle アラート経由で、九州経済産業局 ウェブアクセシビリティ方針が公開されたのを知ったのですが、そのなかで「現時点で把握している問題点及び今後の対応」という見出しに続く以下のくだりが気になりました。

PDFファイルについては、W3C Working Group Note 「PDF Techniques for WCAG 2.0」の翻訳が情報通信アクセス協議会ウェブアクセシビリティ基盤委員会実装ワーキンググループにおいて正式に公開されたのち対応方針を検討する。

ウェブアクセシビリティ基盤委員会というのはつまり、自分が副委員長を務めるWAICのことですが、あたかもWAICが翻訳文書を公開していないせいで検討を先送りしているかのように読めます。しかし「PDF Techniques for WCAG 2.0」の翻訳は、最新の内容ではないにせよ、既にWAICのサイトで公開しているのです。最新の内容ではない、というのは、WAICのサイトで公開しているのが2012年1月3日付けで公開されたTechniques for WCAG 2.0であるのに対し、既に2013年9月5日付けで原文が更新されており、かつPDFに関する記述にも少なからず更新箇所が存在しているからです。ともかく、正式に公開の意味がよくわからないですね......。興味深いのは、上記に引用した内容でGoogle検索してみると、一字一句違わぬ記述が

にもみられるという事実。穿った見方をすれば、総務省のウェブアクセシビリティ方針にある記述を他の自治体がコピペした可能性があります。ウェブアクセシビリティ方針という文書の性質上、内容的に酷似するのはやむを得ないと思いますし、仮にコピペの事実があったところで、それが悪いことかと言えば一概にそうとも言い切れないでしょう。しかし、PDFに関する項目を含んだTechniques for WCAG 2.0の翻訳をWAICが掲載したのは、2012年5月15日のことです。それより後に策定・公開されるウェブアクセシビリティ方針(今回九州経済産業局が定めたものを含め)において、「PDF Techniques for WCAG 2.0」の翻訳が存在しないかの書き方をされるのは、不正確ではないかと感じます。そもそも、英語原文に当たるつもりがまるで無いようなスタンスを大見得を切って書かれるのも、個人的にはいかがなものかと思いますが......。

[ 2013-09-29 追記 ] ばけらさんからも同様のツッコミ(PDF技術の翻訳がなかったことになっているウェブアクセシビリティ方針 | 水無月ばけらのえび日記)がありましたので、ご参考に。

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