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富士通アクセシビリティ・アシスタンスの提供終了

まぁ、ビックリしたわけですけど。発端は、富士通、色覚障がい者のための診断ソフトウェア無償提供8月20日をもって終了:「終了前に、ただ伝えてほしい」――多くの開発者に届きますように。 - @ITという記事。なにせ、ダウンロードできなくなるであろう期限までわずか4日しか無いことが急に発覚したものだから、慌ててWAICのTwitterとかWAICのFacebookページとか勤務先のBlogなんかで紹介した次第。残された時間を考えれば、人の目に留まるチャンスは多ければ多いほど良いですからね。もっとも件の@ITの記事、既に相当数Twitterでつぶやかれたり「いいね!」されてるみたいだから、今更僕がここに書いたところで以下略。あ、今回を機に初めてダウンロードしたって人は、ダウンロードしただけで満足せずに、ちゃんと使ってみましょうね。

で、この提供終了の背景にあるものは何なのか。富士通アクセシビリティ・アシスタンスは、比較的最近のOSを動作環境に加えてきませんでした。たとえばWebInspectorはWindows 8で動かないぽいし、Mac OSに至っては10.3.9とか10.4.10なんて懐かしいバージョンしか記載がなく、状況はColorSelectorColorDoctorも同様。ですから、提供終了の告知は唐突な感があるけれど、ソフトウェアのメンテナンス自体は中止されて久しかったのでは?と推測します。開発者が異動になったのか、退社してしまったのか、あるいは売上に直結しない同ソフトウェアのメンテナンスが社是として禁じられたのか......正解なんて分かりっこないですし、想像すること自体あまり意味も無いのだけど、まぁそんな状態がつらつら続くうち、ふとしたきっかけでお偉い方の目に止まり「メンテナンスしていないソフトウェアなぞ削除してしまえ」てな命令が下されたのでしょうか?

富士通といえば、昔からWebアクセシビリティに積極的に取り組まれてきた企業の代表格ですけれど、かつてはよくセミナーで取組み事例(Flashコンテンツのアクセシビリティとか)を講演されていたのに、最近はあまり見聞きしなくなりました(Webアクセシビリティ関係のセミナー自体、一時期より減ってはいるはずですけどね)。またWAICでの活動についても、少し前まで委員としてご一緒していた方の異動を契機に、参加を取り止めています。そうした経緯を踏まえ、今回の提供終了の知らせについて考えてみますと、富士通はWebアクセシビリティ関連の取組みをやはり「会社の方針として」弱めつつあるように映ります。それが自分の全くの見誤りであり、また杞憂であれば良いのですが。何にせよ、そう感じざるを得ない現状は、ただただ残念です。

[ 2013-08-27 追記 ] 何やら、続報(【続報】担当者に聞いた:なぜ、富士通は「色覚障がい者のための診断ソフトウェア無償提供」を終了したのか - @IT)が掲載されていました。2010年8月のJIS改正に対応できなかったことが主たる理由とされているようですが、あまり釈然としないですね。miCheckerとは棲み分けができたと思いますし。

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