リストの項目数の有用性
著
少し前に、ウェブアクセシビリティ基盤委員会の作業部会2委員会で話題になったことの覚え書き。スクリーンリーダーなど、視覚障害者の方が使用する音声読み上げ環境のなかには、リスト(HTML的にはul要素やol要素など)の項目数(たとえばli要素が何個、包含されているか)を読み上げるものがあります。そしてAS情報を作成する際に必要となるテストファイルにおいて、
- H048-1 H48: リストに、ol 要素、ul 要素、dl 要素を用いる - 例1
- H048-2 H48: リストに、ol 要素、ul 要素、dl 要素を用いる - 例2
- H048-3 H48: リストに、ol 要素、ul 要素、dl 要素を用いる - 例3
のテスト方法には、音声ブラウザやスクリーンリーダーの場合リスト項目の数が分かるようにリストの先頭で知らせるか
といったことを確認する手順がテスト方法に含まれており、それが(テストした支援技術が)アクセシビリティ・サポーテッドか否かを判断する基準のひとつになっています。そこでふと思ったのは、項目数という情報が、果たしてどれだけ有用なのか?という点。
音声のみでWebページを利用している際、リストに遭遇したときにそれがどの程度の内容量をもつリストかを予測するのに役立てることを期待して、のことかなぁと思うのですが......しかし実際には、項目数がわかったところで、内容量はまるでわからないはずです。数項目のリストであっても、個々のリスト項目が膨大な内容量をもっている(リストが入れ子になってたりする)かも知れないし、100以上の項目数があるリストであっても逆に全体としては比較的少ない内容量の場合だってあるかもしれない。
そう考えてみますと、果たしてリストの項目数というのは一体、どういった利便性を提供しているのか?当たらずとも遠からず、といったニュアンスで、やっぱり内容量を見積もる参考に使われているのだろうか?少なくとも、項目数よりは遥かにリスト項目の開始位置及び終了位置
のほうが重要だし、アクセシビリティ・サポーテッドか否かを決定づける因子として項目数の読み上げの有無というのは相応しくない(アクセシビリティではなくユーザビリティに寄った基準に思える)......みたいな。そのあたり、実際の音声読み上げ環境のユーザーの方々に広くご意見を伺ってみたい感じです。