仕事の思想
著
田坂広志著『仕事の思想』は、結構前にご紹介いただいていて、Kindle版出ないかなぁと思っていたらいつの間にか出ていたので速攻買いました。さくっと読み終えてしまったけれども、決して多くはない文字量のなかに著者の仕事に対する実体験に根ざした想いが凝縮されていて、面白かったです。かつては自分も、時間的自由を金銭的対価に置き換えることが即ち労働だ、と捉えていた時期があったけれども、ある時期から必ずしもそれ「だけ」ではない(し、それ「だけ」ではあまりに寂しいし持続性を期待できない)、という感覚が強くなって。完全に腑に落ちたわけではないけれど、その感覚の一部が本書において言語化され、また著者のエピソードを通じ表現されているようには思いました。以下、気になったフレーズのなかからピックアップ:
「できなかったことが、できるようになる」という体験は、人間にとって本源的な面白さであり、楽しさ
プロフェッショナルとしての自分の能力を長期的な視点から開発していく道をこそ大切にすべき
「人間としての成長」という報酬を見失わないようにしなければなりません
夢を語り、目標を定めることが、人間が成長していくための最も大切な方法であり、最高の方法
人間の成長にとっての「夢」と「目標」の役割の違いを理解しておくことが大切
仕事における「顧客」が、私たちにとっての「成長の鏡」
操作主義的な発想で、「顧客を説得しよう」「顧客を動かそう」と考えるのではなく、まず、無条件に、顧客に深く共感する
マネジャーになるということは、義務と責任を求めてなるもの
もしマネジャーが、どこまでも成長していきたいと願い、どこまでも成長していくことができるならば、部下は、黙っていてもその姿から何かを学んでくれる
私たちが恐れるべきは、「力を尽くさぬ」ということ