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キャリアポルノは人生の無駄だ

メイロマさんこと谷本真由美氏(@May_Roma)の最新著作『キャリアポルノは人生の無駄だ』をKidle版で読了。メイロマさんの本を読んだのは、今回で2冊目。アマゾンでの評価が分かれていることをTwitterでつぶやいたところ、ご本人から速攻で「ぜひお買い上げ下さいまし」と言われてしまいました。そういうところが実にメイロマ無双らしいというか、とにかく半端ないエゴサーチ力なわけですが、まぁ買いましたよと。

僕は自己啓発書、本書でキャリアポルノと称されている類いの本は割と好んで読むほうなんですけど(本書自体が一種の自己啓発書という矛盾を孕んでいるわけで)、なぜそうした書籍に惹かれてしまうのかという理由を(世間一般のそれはそれとして)再確認できたのは収穫だったかな。途中、アメリカやヨーロッパにおける自己啓発書やその著者に関する分析が続くあたりはちょっと飽きてしまったけれど、最後までメイロマ節を堪能させていただきました。まず、自己啓発書を以下の8つに分類されていたのが興味深い。

自分の場合、儲かる系とかノマド系みたいなのには興味がなく、エンタメ系も滅多に手を出さないですね。宗教方面も忌避しているので、信じる者は救われる系も読んでいません。俺自慢系もまず買ったことはない(自分は自分、他人は他人と割り切れているから)。なので、説教系、変われる系、やればできる系の3つを読むことが多い感じ。社会人になったばかりの頃は、よく弘兼憲史氏の著作を読んでいたけれど、あれはこの3カテゴリがうまくミックスしていたような気が。で、そんな自己啓発書がバカ売れしているにも関わらず、なぜ日本の現状が「うああ」なのかは、以下の一節に凝集されていました:

フードポルノと同じように、自己啓発書というのは、目に見えない部分での努力や行動、勉強をすっ飛ばして、読むだけで自分の手に届かないもの、例えばかわいい彼女、素敵な家、もっとやりがいのある仕事、高い給料、楽しい友達などを想像し、自分が求めている欲望を満たすだけの「娯楽」に過ぎない

娯楽を娯楽と分かって読むぶんには良いと思いますけど、そうではないという人も少なからずいるのでしょうし、そういう人の多くが実は「変わらなければいけない」ことに気づいていながら具体的改善に何ら取り組むことなく自己啓発書を「読むだけ」で満足・消費してしまう、ということかな。

本書において自己啓発書云々とは別に興味深かったのは、メイロマさんの人生観なり仕事観、それらが今日あるまでに至る経緯に触れられていた点でしょうか。自分は幸い、身内の人間が大病や大怪我を患ったケースは今のところ無いですけども、数年前に自分よりうんと若い同僚が突然死してしまったことがあって。あのときは確かに、人生とか仕事とか、だけではないけれど、いろいろ考えさせられました。生き甲斐とか自己実現を考えるうえでは、何十冊と自己啓発書を買い込んで読むより遥かに優れた、有り難い機会であったように思います。改めて故人には哀悼の意を。

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