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ヤフーがウェブアクセシビリティ方針を公開

各所既報ですが、6/20付けでヤフーウェブアクセシビリティ方針を公開していました。

ヤフー株式会社は、一人でも多くのお客さまが一つでも多くの場面で当社が提供するウェブコンテンツをご利用いただけるように、アクセシビリティの確保に取り組んでいきます。

この種の取り組みを公にし、前向きに頑張っている企業というのは以前からありますけど、いまだ割合としては圧倒的に少ないように感じています。ROIを明確にしにくいがゆえに予算を確保できない、アクセシビリティを障害者や高齢者に限定されたテーマであるかの誤解をしている、強制力をもった法整備がなされていない等、理由や背景はさまざまあるでしょう。そうした状況が続いてきたなか、ヤフーがこうしてWebアクセシビリティ確保への意気込みを高らかに宣言されたのは、実に素晴らしいと思いました。

何を今更、むしろ対応としては遅過ぎるだろう、と言う人はいるかもしれません。ヤフーほどの大企業(ないし多数のユーザーを抱えるサービス事業者)だからこそ、アクセシビリティ確保に充当するだけの予算を捻出できるんでしょ、という見方もできます(そういう側面は実際あるかもね)。あくまで宣言が出ただけで、実態として確保が進展するまでは(最終的に予定されている対象範囲の域を超えサービスサイトにまで拡充するまでは)何とも言えない、というのも一理あります。それでも、公開されたウェブアクセシビリティ方針には十分な意義があると思っています。それは、「ウェブだからできること」の可能性という見出しに続く以下のくだり:

インターネットの登場によって、私たちの暮らしや働きかた、社会のありかたが変わってきています。ウェブは私たちの情報を集める力、調べる力、そして知識や経験を共有する力を劇的に増幅し、一人ひとりの可能性を広げてきました。

パソコンからスマートフォンやタブレットへとお客さまが利用する機器が多様化することによって、この可能性はまだまだ広がっていくと確信しています。

......まぁ、既に分かっているひとにはごく当たり前のことを述べているに過ぎないのですが。しかし、なぜウェブアクセシビリティに取り組む必要があるかを、高齢者や障害者ばかりにスポットを当てることなく述べているのは、それを広く知らしめる(これから取り組むであろう後続の企業にとって良いお手本になる)という意味で、大事だと思うんですね。アクセシビリティの確保なくして、多様化の一途をたどるWebアクセス可能なデバイスに、そして今後ますます増えるであろうWebのユーザーに、Webサイトを対応させ続けることなどもはや不可能。それはWeb全体が、ひいては社会がより豊かになるうえで不可避であり、Webアクセシビリティの確保とはすなわち近江商人の言う「三方よし」の実践でもあります。

以前、ヤフーのなかのひと(誰)にお話を伺ったことがあり、現場レベルではなかなか大変そうなのですけど、是非これを機に頑張っていただきたいと思いますし、「爆速」をキーワードに掲げている同社のことですから、今後の進展は楽しみにしています。僕個人は正直、ヤフーのサービスをほとんど使ってはいないのですけどね(おい

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