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宇宙って面白いの?

いわゆる『もしドラ』の著者・岩崎夏海氏と、今まさに国際宇宙ステーションで長期滞在中の宇宙飛行士、星出彰彦さんの共著?『宇宙って面白いの?』をしばらく前に読了。岩崎氏と星出さんが実は高校の同級生だったことに端を発する本書。僕は『もしドラ』を読んだことはないけれど、これまで目にしてきた岩崎氏の文章はどうも苦手、というよりむしろ嫌悪感を抱くことが多く、こと本書について言えば表紙がグロ過ぎることもあって、当初は敬遠していたのです。しかし書店で手に取り確認したところ、基本的にはインタビューの内容が中心であること、また星出さんのほかにも以前から懇意にしていただいている岩本(いはもと)さんとか、宇宙業界にいた時分に確かお目にかかったことのある樋口氏が登場することを知り、気持ちが変わって購入。プロローグにある

「『もしドラ』でたまたま当たった一発屋が何を言ってんだ」
って笑うのなら笑われてやろうと、冬の早朝、殴り込みのような気分でぼくは丸の内にあるJAXAのビルに乗り込んだのでした。

というくだりを読んで、ああこの人は自分が一発屋だと思われていることは認知していたのか、などと少し感動したわけですが、それはさておき。ある領域の魅力に取り憑かれた人間が、そうでない人間に対してそれがいかに魅力的かを説き、その一端にでも理解を得るというのはなかなか難しいこと。本書ではその領域がすなわち宇宙開発で、前者の立場として星出さん含めJAXAのなかの人が都合4名が登場、対して後者の立場が岩崎氏という構図。果たしてそのチャレンジの結末は......というと、エピローグに

「面白い人が本気で面白いと思っていることだから、宇宙はきっと面白いんだろうな」
というのが、ぼくの答えです。

とあります。ギリギリ成功したような、失敗しているような、なんとも言えない印象。まぁ、岩崎氏個人が宇宙開発のシンパになれるかどうかなどということは瑣末であって、本書を読まれた方に宇宙への興味をどれだけ喚起させらるのか、というのがそもそものミッションのはずであり、その点は非常に気がかりです。僕はもともとシンパだったこともあるし、宇宙業界にいたときは広報の仕事をしていたわけで、最後まで楽しめましたけど。実際、なかなか他にはない企画というか路線の本だったと思いますし、星出さん、岩本さん、樋口氏それぞれのインタビューは興味深かった。学研の『宇宙のひみつ』、また読みたくなりました><

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