アイリッシュコーヒー@蘭豆
著
しばらく前から、息子の塾の送り迎えで週に一度南浦和まで通っているのですが、塾が終わるまでの2.5時間ほどを蘭豆(らんず)という喫茶店で過ごしています。最初の2、3回はモスバーガーで時間をつぶしていたのだけど、大抵は騒がしすぎる感じで読書や仕事に集中できるような環境ではなく、近場で落ち着いた雰囲気の喫茶店を見つけられたらなぁと思ってたんですね。そこでみつけたのが蘭豆というお店。インテリアはもちろんレジやステレオといった小物に至るまで、ちょっとレトロで昭和な感じが素敵なのと、BGMは常にクラシック!あいにく喫煙OKかつ分煙もされていないのが玉にきずですけど、混雑し過ぎるでもなく、ちょっと長居させていただくぶんにはおあつらえ向きなのです。蘭豆に通い始めて以来ハマっているのが、アイリッシュコーヒー。お酒の入ったコーヒーなんて出してるのかー、っていう興味本位で頼んだのが最初で、しかしマドラーがなく「これどうやって飲むのが正しいんだろう?」と思ったんだけど、気恥ずかしさからマスターにも聞けなくて。でまぁアイリッシュコーヒーの正しい飲み方‐珈琲とカフェという記事の
「長いスプーンがつくが、これで掻き混ぜるのは正しい作法ではないらしい」といった言葉があり、「まず冷たいクリームが唇に触れる。無塩バターのような味わい。その下から熱いコーヒーが滲んでくる。コーヒーの味、ウイスキーの味が舌先に広がる。鼻孔にはコーヒーの香り、ウイスキーの香り、渾然としてわるくない。シュガーの甘さもクリームと混じり、コーヒーと混じり、さまざまな濃淡を舌先にもたらす。少しずつ溶けあい、やがてシュガーとコーヒーとウイスキーがまろやかに混じりあった独特な飲み物と化す。」
を読んで、なるほどと。そもそもこの飲み物は一体なんなのか?を調べてみたところ、アイリッシュ・コーヒー - Wikipediaに
アイルランドで旅客機の乗客のために1942年に創案されたカクテル。考案者は水上飛行場のパブのシェフであったジョー(ジョセフ)・シェリダン(Joseph Sheridan 1909-1962)。
第二次世界大戦前の1930年代、パン・アメリカン航空によって飛行艇を使ったアメリカ・イギリス間の大西洋横断航空路が運行開始されたが、当時のプロペラ飛行艇は後年の旅客機と違って気密構造ではなく、暖房があまりよく効かなかった。そのうえ飛行できる距離も短く、経路の途中で燃料補給にアイルランド南西部の港町・フォインズ(Foynes)への寄港を強いられた。
飛行艇が水上で給油する間、乗客は安全のため陸上待機せねばならなかったが、港の天候が悪ければ飛行艇からパブのあるレストハウスにたどり着くまで更に凍える羽目になった。そこで燃料補給の待ち時間を利用して、乗客に体を温めて貰おう、という心遣いから、アイルランド名物のアイリッシュ・ウイスキーをベースとしたこの飲み物が考案されたという。
とあり、なかなか由緒ある飲み物だということがわかりました。それからというもの、蘭豆を訪れるたびにきまってアイリッシュコーヒーを注文しています。乗客に体を温めて貰おう、という心遣い
が発端にあるにもかかわらず、お店ではアイスアイリッシュなるメニューもあって、それはそれで美味しい。いつかアイルランドを旅する機会をつくり、本場のアイリッシュコーヒーを味わってみたいものです。