小惑星探査機 はやぶさ物語
著
日本において空前の宇宙探査機ブームをもたらした、小惑星探査機はやぶさの帰還から早くも4ヶ月あまりが経過。書店の宇宙・天文コーナーでも、ちょっとしたブームというかバブルというか、既にデフレじゃないかとすら感じるほど、はやぶさを扱う書籍が所狭しと並んでいたりします。宇宙業界にいた時分なら、片っ端から買いそろえていてもおかしくはないのですけど、さすがに同じような内容の本を集めてもなぁ……という感じのなか、敢えてこれは買っておきたいと思ったのが的川先生の著作『小惑星探査機 はやぶさ物語』。
的川先生ご自身、はやぶさについての本を複数出版されているのですけど、新書のため読み終えやすい文章量であったのと、p.171に掲載されている川口プロマネと的川先生のツーショット写真に惹かれたのが主たる購入動機。どんな写真かというと、的川先生が40歳の誕生日を機に禁煙をされるというので、その記念?にと40本もの煙草を同時に口にくわえて吸うことを当時の川口プロマネが提案し、かつそれを実行に移したときの様子という。御二方ともにまだお若い姿であり、それだけでも十分新鮮味のある一枚ではありますが、単に絵的に強烈という以上に、何かこう御二方のあいだの関係性がいい感じににじみ出ているようにも感じられました。ほかにも「おおっ」と思った点をいくつか:
- 帯にサッカー日本代表前監督の岡田氏からの言葉が記されていたのが意外でした。
- 的川先生が提案していた探査機の名前が「ATOM(Asteroid Take-Out Mission)」だったとは。いやどこかで読み知っていた気がしますが、すっかり「はやぶさ」の名が世間的にも広まった昨今、ものすごい違和感を覚えてしまいます。
- そしてまた、JEMの愛称公募に対し的川先生の提案したのが「よじょうはん(四畳半)」という名前だったそうでw
- p.122に例の「おつかいできた」のイラストが掲載されていて、ちょっと和みました。
- p.174で寺薗さん(@terakinizers)のご活躍も、しっかり
JAXAのウェブ上の展開を全面的に担当
と紹介されています。ただし、リポDがどうこうとかいう記述はさすがにナシ。