竹中教授の14歳からの経済学
著
いつ読了したか覚えていないくらい昔に読み終えていた本で覚え書きできていなかったのが、『竹中教授の14歳からの経済学』。14歳からの、とだけあって、大変わかりやすい内容。アマゾンではなく書店で買ったのですけど、レジで若干の気恥ずかしさを覚えなかったわけではない、です。考え過ぎだろうけども、レジ打ちの人に「あーこのヒトよっぽど経済のこと分かってないのねー」などと思われてるんだろうな、とか。まぁ実際そうだと思うので、いまさら恥ずかしがる方がおかしいけれど……帯に若いあなたと忙しいあなたのための“わかる”経済入門書
とあったのがせめてもの救いか(はい、人並みに忙しいです)。
出だしの第1章では小泉元首相の思い出話が織り込まれていたりもして、興味深く読み始めることができました。そして第3章の「問題はなにか?その解決策は?」では、郵政民営化の是非を巡る高校生とのやりとりが再現されているのですけど、かつての郵政民営化担当大臣自らが噛み砕いて説いた説には説得力がありました。経済学の本ではあるけれど、やはりその領域だけに話がとどまることはなく、最終的には社会全体の在り方みたいなところにまで広がります。しかし、本書の肝は第1章で書かれている経済の三つの特徴、すなわち
経済はとてもたいせつ
経済はつかみ所がない
経済の問題に絶対的な正解はない
だったのかなと。特に二番目、三番目の項目を経済学者として言い切ったことは、それなりに意義のあることと自分は感じました。無責任だとか、身も蓋もない発言のように聞こえなくもないけれど、(実感と照らし合わせても)実際そうなのだろうと思いますし。そのうえで、個々の事案につきどう対処すべきかというのは、結局のところその時々の状況を勘案したうえで議論なり検討を尽くさない限り、見えてこないのだろうと。