Coyote No.37
著
行きつけのコーヒーショップといえば専らTully's Coffee 新宿スクエアタワー店ですが、そこの店長さんよりCoyote No.37で南極が特集されていることを教えていただきました。税抜きで1,400円という値段は、雑誌自体ほとんど買わなくなって久しい自分にとって少しばかり抵抗がありましたけども、書店店頭でしばらく立ち見をしているうちに、これはやはり買って帰って家でじっくり読みたいなと思って。特集「いざ、南極へ[植村直己が向った旅の先]」の内容は、以下のような構成になっています:
- [diary]植村直己 1972年の南極偵察日記 憧れ続けてきた南極の地に初めて立つ。輝かしい冒険への第一歩が踏み出される時 夢の抛物線 湯川 豊
- [interview]植村公子 冒険にすがって生きた男
- 三浦雄一郎 植村直己、水平の冒険者
- 佐々木大輔 すべては『青春を山に賭けて』から始まった
- すべての冒険は南極に向かう「あとがき」で辿る足跡 文=植村直己
- [travel diary]南極半島周航記 池澤夏樹
- [guide]南極ガイドブック 未知なる南の大陸
南極の、というかそれと同等に冒険家の植村直己氏を特集しているわけですが、それなりに文字量があって読み応えありそう。ありそうというのはつまり、まだちゃんと読めていなくて、相変わらず写真を中心に眺めているだけなんですけどw なかでも南極半島周航記は、僕が2度経験した南米発と異なりニュージーランド発のツアーを日記形式(文体からして自分の南極旅行記に近い雰囲気)で紹介していて、興味深いやら懐かしいやら。美麗な氷塊の写真を眺めるたび、いつまたこの場所に足を運べるだろうかって思うと、ため息しか出ないような。それはさておき覚え書きしておきたいのは、斜め読みしていてふと激しく気になった、南極偵察日記にある以下の植村氏の言葉:
私は、サラリーマン達、他の人達のように自分の生きる道を待ち将来を待ってはいない。私の場合は、物事を達成し終えることから、次の目標が生まれ、その目的に向かって生きているのである。
なんともまぁ、今の自分の心理状態に深く染み入る言葉ではないか。いや、しかし氏とてもしまだご存命だったら、かくも変化と多様性の著しい時代を迎えつつある日本を見てどんな言葉を書き記すだろうとか、そんなことを考えたりもしました。いまどき、僕のような一介のサラリーマンとて、将来を「待つ」ようでは全然駄目な時代なわけで。いやそこは本質的にはあまり変わっていないかな……。