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勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan

ようやく『勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan』を読了。初めてこのタイトルを目にしたときは、いよいよ勝間氏も政界進出かぁ、などと思ったりもしたのですけど、そのような意図・目論みの無いことは、別途ビジネスアスキー12月号で知りました(曰く、今の仕組みではできることに限りがあるし、給料も安い自民党も民主党も、声をかけてくれない。)本書を読んでたいへん参考になったのは、今の日本社会に勝間氏の感じているところの問題意識が明確に共有できたこと。ちょっと長いけれど、第5章より引用させていただきます:

つまり、各自に自助努力を要求するが、その代わりに階級移動が容易なアメリカ型と、階級の存在はある程度仕方がないと許容し、リーダーたちがノブレス・オブリージュ(フランス語で「高貴な義務」)を発揮して階級の低い人たちの人権や生活を守りながら共同で発展していこうとするヨーロッパ型があるわけです。

日本は、その2つに対して、中間の、やや中途半端な形です。ハイ・クラスの人たちのリーダーシップが弱いので階級が低い人たちをしっかりと守る仕組みになっていないのに、雇用の流動性が低いため階級移動が容易ではない、という両方の欠点を保有してしまっているのです。

この問題意識がまず前提としてあるなかで、男女共同参画をテーマとした「第2章 西原理恵子さんと、最強ワーキングマザー対談」があり、非正規雇用を扱う「第4章 雨宮処凜さんと、脱・ワーキングプア対談」があった、と理解すればこそ、個々の対談の味わいも一層深まったのであります。本書の末尾で、具体的に日本を変えるための15の提言が列挙されていますが、なかでももっと予算を使うことで公教育を充実させましょうの項には強く賛同したい。様々な問題が山積している状況とはいえ、やはり教育をどれだけ充実させられるか次第でこの国の行く末も決まるだろうし、成果が出るまでに一定の時間を要するがゆえに、早急に対策を講じていく必要があるわけで……。

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