地震イツモノート
著
寄藤文平氏の描くイラストに惹かれたこともあり、「地震イツモノート—阪神・淡路大震災の被災者167人にきいたキモチの防災マニュアル」を購入、読了。今年に入ってから中国では四川を中心に、そして日本国内でも岩手・宮城両県を中心として、大地震が発生しました。自分が暮らし働いている東京でも、だいぶ前から直下型の大地震が起こると言われ続けて久しいですが、幸い?これまでのところ大震災には遭っていません。がしかし、個人的には大地震に見舞われるのはもはや時間の問題だとも思っているので、たまにはこの手の本にも目を通し、防災意識を高めておかなければいけないな、と。
本書は大きくは「地震がおきた瞬間」「地震とその直後」「救援活動」「避難生活」「地震が教えてくれる未来」の5カテゴリから成り、それぞれに阪神・淡路大震災に遭われた方々からの生の声と、地震に備えるための役立つ実践的な知識がまとめられています。なるほどと思うことや、いざという時のことを考え早速実生活に反映しようと思った言及もあり、勉強になりました。本書の魅力は、冒頭で触れた寄藤氏のイラストも含めて非常に読みやすく・わかりやすく構成されている点のみならず、何と言っても書籍のタイトルに込められた、その趣旨ではないかと思います。「はじめに」のなかから以下に引用します:
防災が、地震のための特別な努力ではなく、私たちのライフスタイルの中に自然に横たわるものであってほしい。そんなキモチをこめて、「地震モシモノート」ではなく、「地震イツモノート」としました。
地震の多い国に生まれ育ったのも何かの縁だったのでしょうが、それを避けて他所の国に移住するというのは自分にとっては非現実的だし、かといってそれに日々過度に苛まされながら暮らすというのもナンセンスだと思います。そういう意味で、やはり防災の二文字を暮らしに溶け込ませておくことが大事だと思うし、そうであってこそ非常時に自分や家族、周囲の人々を守れるのではないか、と思った次第。再び、「はじめに」のなかにあった印象的なフレーズを、以下に引用/覚え書きさせていただきます:
地震が起きる可能性。それは「もしも」ではなく、「いつも」あるのです。ただのアンラッキー、来てほしくないもの。そう考えるのではなく、私たちの生活の一部と考えること。