「残業ゼロ」の仕事力
著
トリンプ元社長の吉越浩一郎氏がお書きになった『「残業ゼロ」の仕事力』を読了したのは少し前のことですが、やはり平日に覚え書きをするのは難しいですね。ちょっとした時間を使って書こうと思っていたのに、一週間なんてあっという間だわ。それはさておき、本書を買ったきっかけはズバリ404 Blog Not Found:残業は会社にも優しくない - 書評 - 「残業ゼロ」の仕事力です。社員を増やしたわけでもなく全社残業ゼロ&19期連続増収増益
ってどんだけ〜。弊社(何処)でも、残業ゼロとまではいかないものの、それに類する取り組みは本格化させている今日この頃であり、是非吉越氏の考え方なり採用された施策というのを知っておこうと思ったのです。
読み終えてみて思ったのは、残業をいかになくすかというよりむしろ、日本人がこれまでないがしろにしてきたワークライフバランスの重要性を啓蒙することが本書のテーマなのかな、と。それは最終章のテーマに「本当のワークライフバランス」を持ってきていることからも窺えます。ただ、ワークライフバランスなんて言葉よりインパクトのある「残業ゼロ」をタイトルで強く打ち出したのは、本を売るうえでは正しい選択だったことでしょう(実際、いまだに平積みされているぐらい売れてるみたいだし)。望ましいワークライフバランスを実現するためには、定年後を視野に入れて毎日仕事を終えたあとの3時間あまりを、「自分の人生のために投資する」
必要があって、そのためには残業をなくさなければならない、というのは激しく納得。氏は徹底して笑っちゃうくらい残業を目の敵にし、またそれを社内に浸透させたわけだけど、上述の意図のほかに残業を無くすべき理由として挙げられている
問題を顕在化し改善する絶好の機会が、残業によって奪われてしまう
有能な女性の戦力化を妨げる
「決められた時間内で戦う」というのは大事なルールの一つ
というのはいずれもたいへん興味深いし、実際そうなのだろうなとも思いました。それと、残業をなくす施策を社内に広げていくうえでは当然困難なことは数多くあれど、最終的には(経営層のみならず)社員の一人一人がどこまで経営的な視点を深掘りして持つことができるか、にかかってくるような気がします。本来あるべき姿とその根拠を明確に共有できない限り、それと現状のギャップを埋めようにもなかなか賛同が得られないのと同じっていうか……。とりあえず面白かったし、オススメなので、もし興味があればお貸ししますよ>誰