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親の品格

坂東眞理子著「親の品格」を読了。坂東氏といえば、かの有名なベストセラー「女性の品格」の著者でいらっしゃいますが、そちらはスルーしてました(男であるがゆえか、全く興味を惹かれず)。ただかなり売れているらしく、氏は先日のNHK紅白歌合戦にゲスト審査員として登場してましたね。タイトルからして、本作には二匹目のドジョウ的な何かを感じたわけですけども、親として内容の気になる一冊だったのは事実。ただ買ってしまってから、実は姉もほぼ同時期に手に入れていたことをBlogで知り、やや残念な思いをしましたが。

読了後まず感じたのは、両親が自分に施してくれた教育のありがたさ。例えば「お辞儀をする」の項で、子どもに教えるべき行儀作法がいくつか語られているのですが、襖の開け閉めであるとか、畳の縁を踏まずに歩くといったこと、確かに小さい頃の僕に両親は教えてくれたもの。それで思い出したけど、親戚の家を訪れて玄関にあがるとき、脱いだ靴を自分で揃えていると驚かれたり誉められたりしたのが子供心に嬉しくて、親の言いつけを守って良かったと感じたものです。彼らから授かった教えを果たして今の自分がどれだけ覚えているか、そしてそれを今後どれだけ子供に伝えていけるか……可能な限り頑張るしか、両親の恩に報いる方法は無いですかね。

そして第七章の「成熟した親子関係をつくる」は、読んでて結構切なくなりました。それは「親の介護」の項然り、「遺言の品格」の項然り。僕も嫁さんも、いずれ互いの両親と、そして子供と(最終的には現世と)別れを告げる日が訪れます。それは言わば自然の摂理であって絶対的に不可避だけど、それを頭では理解していても心情的には受け入れる準備がまだできていないものだから、第七章の特に後半にあるような内容を読む途端、心が不安に支配されがち。結局のところ、いつまでに何をどこまで準備すべきかという点に尽きるのだけど、坂東氏も書かれているような運次第の側面もあるから、なかなか難しいです。

本書を読んで一層、2008年中に両親と(とにかく二人とも元気なうちに)一緒に旅行をしたいなぁと思うようになりました。その旅を通じて、普段とはまた別のかたちで彼らと言葉を交わし、感謝を表現することができたら!なんとか実現したいものです。

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