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ウェブ時代をゆく

今話題の「ウェブジェダイがゆく」……もとい、梅田望夫著「ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか」を読了。この手の本は旬が過ぎると読む気力が格段に落ちてしまう懸念があったので、かなり無理矢理ではありますが、集中して一気に3時間くらいで読み終えました。「フューチャリスト宣言」をスルーしていた(ただし意図してではなく)自分にとっては、久しぶりの梅田節。日頃漠然と感じていたことがズバリという感じで文章化されていたところもそれなりにあって楽しめたのですが、個人的に衝撃を受けたのは第六章「大組織 vs. 小組織」にある次のくだり。

「大組織のプロ」を目指すのか、「吸収できることをすべて吸収して辞める」か。
いずれにせよどちらかの覚悟を固めて「三十歳から四十五歳」という難しくも大切な時期を、キャリアに自覚的に過ごすことが重要である。

まさにこれは先月、未熟さを痛感する夜で吐露した悩みの一部だったりします。そしてさらに追い打ち?をかけたのが、続く第七章「新しい職業」冒頭において、梅田氏が提示したケーススタディで、宇宙開発を夢みながらもGoogleという新たな選択肢を知る若者Sのお話。スタンフォードの大学院に行くほど優秀なS氏と自分とでは、学業的な観点での差は多分にあれど、境遇として過去の自分を重ね合わせないわけにはいかない。

僕もまた、子供の頃からロケットや宇宙飛行士といった世界に憧れ、いずれはその世界に入ることを夢みて機械工学を専攻し、卒業後は(引き続き親に出資してもらって)ISUに参加、宇宙関連組織に職を得ておきながら、三年と経たないうちにIT業界というかWeb業界に移っている。第二新卒なんて言葉はまだなく、なお転職という行為が(どちらかといえば)リスキーに見られがちだった2000年当時、宇宙業界に嫌気がさしたなどという理由ではなく、主として自分のなかにWebへの志向性を強く見いだしたがゆえの決断でしたが、それは梅田氏が言うところの「高く険しい道」から「けもの道」への転向であったと思います。しかしそれから7年の月日が過ぎた今、実はその「けもの道」がいつの間にやら僕の目に「高く険しい道」として映るときがある。自分がこのところ思い悩んでいるのは、その変化から受ける戸惑いが時期的あるいは立場的に極大化しているから、なのだろうと思います。

先に引用したくだりにある「三十歳から四十五歳」の期間にさしかかって、今後どう生きていけば家族を守りながらより良い人生を送ることができるのか。本書は、そうした自分が今抱えている悩みをより一層顕在化させ、また良い意味で(解決に向けて)プレッシャーを与えてくれたという点で、有り難い一冊となりました。梅田氏はWebに公開される自著の感想を可能な限り読んでいるそうですので、本エントリもお読みいただけることを期待しつつ御礼申し上げます、ありがとうございました。

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