なぜか35歳から伸びる人・落ちる人
著
清水克彦著「なぜか35歳から伸びる人・落ちる人—人生をリセットする!戦略的自己プロデュース術」を読了。先日、紀伊國屋書店新宿南店に立ち寄った際に気になって、さらにその後末広堂書店で再度手に取り衝動買いしてしまった一冊。これは一体どういうことなのかなぁ、先日「夢をかなえるゾウ」を読んでからというもの、また自己啓発書がマイブームとなりつつある(いや昔からこの手の本は好きだけど)。35歳というキーワードが、日本国内においては転職の上限年齢として一般的な数値であり、それゆえ一層何かこう特別な響きをもって感じられることもあり、つい気になってしまったのかも。
こうしている間も35歳の誕生日というのは刻一刻と迫っているのだけど、本書は人生の後半を左右するという意味で極めて重要な三十代に対し、「できる人間」へと自己プロデュースしていくことをおすすめ
しています。その自己プロデュースを中心に扱うのが第1章で、以降仕事、人間関係、生活、時間と各分野別にそれぞれプロデュース術を伝授してくれます。読み終えてみればさほど印象的でもない、つまり自己啓発という範疇からするとごくありきたりな内容だったようにも感じたのですが(ある意味「夢をかなえるゾウ」がそれだけ強烈だったのかもしれない)、後半の(生活と時間に関する)お話は比較的参考になりました。
その後半の第4章の冒頭で「人間力」なる言葉が登場します。目にしたのは初めてではないけれど、正確な定義は知らなかったので調べてみたところ、オンライン辞書では答えが見当たらない。人間力とは - はてなダイアリーによると、どうやら学力やスキルだけでは量ることのできない、人間としての総合的な魅力のこと
らしい。仮にそれを正しい定義として受け入れるとして、著者が人間力の有無を計る基準として挙げた「かきくけこ」が興味深かったです。それはつまり「か」=家庭、「き」=興味を持つこと、「く」=くつろぎの時間、「け」=健康、「こ」=子育ての時間、のそれぞれを大切にしているかどうか?との問い、らしいのですが。実際に人間力が高まるかどうかはともかく、問い続ける価値はありそうというのが僕の直感(「き」の興味については、知的好奇心という言葉に読み替えて解釈するのもアリか)。「貧乏くじ世代」と称される(らしい)僕としては、その割に幸運な道のりを歩んで来たと思っているけど、自分のためにも家族のためにも、そして関係するすべての人々のためにも、地道に人間力とやらを高めていけたらいいなと思います。