Web標準の日々、終了
著
7月15〜16日にかけて開催されたイベント「Web標準の日々」は、終わってみれば(プレス等含め)実に1,000人以上もの方々が参加され、盛況のうちに終了したようです。反省点は多々ありますが、なんとか僕も1日目の自分の講演と2日目のブラウザトラックの(さらにはブラウザベンダー同士のパネルディスカッションの)モデレータを終えることができ、ほっとしています。イベントに参加された皆さま、そしてまたイベントの運営に尽力された皆さまには、深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
自分の講演は、XHTML+CSSトラックでありながらも内容的にはそれほどXHTMLとかCSSにフォーカスしたものではありませんでした。日頃マークアップやスタイルシートの作成が主要な業務の方々であっても、プロジェクト全体を俯瞰しデザインする視点を持っていただければ、全体的な効率化だとか自身の作業の効率化につながるといったお話をさせていただきました。(余談:会場となった秋葉原UDX、中が非常に分かりづらく迷子になりました。あの分かりにくさは驚異的。)
話のベースとしているJesseのThe Nine Pillarsはかなり昔に公開されていたわけで、ご存知の方も少なくなかったかもしれませんし、それ以前に内容が全般的に期待ハズレだった、という方も大勢いらっしゃったと思います。アンケート結果は後日、主催の鷹野さんから共有させていただく予定ですが、ご意見など別途お寄せいただければ今後の参考とさせていただきたく、よろしくお願いいたします。
ブラウザトラックのパネルディスカッションについては、残念ながら時間の都合で予定していた設問を一問だけスキップせざるを得ませんでしたが、しかし概ね僕が聞きたいと思っていた話はすべて聞くことができたので、少なくともその点においては満足です。microformatsしかり、ベンダー間の共同しかり。ことWeb標準に関してはWebブラウザの将来は明るいぞとか、積極的にブラウザベンダーと共にWebを良くしていこうみたいな気持ちが参加者の皆さんのなかに芽生えていたら、嬉しいなぁと思いました。(終了後におさんぽさんぽのFUMINGさんとご挨拶……かなり昔からの読者だっただけにちょっと感動。)
ちなみにパネルディスカッション中も、そのひとつ前の時間帯のセッションでもそうだったのですが、Microsoftの五寳さんのお話には個人的にとても胸を打たれました。IEをより良いブラウザにしたい、ユーザーの声を反映させたいという熱い想いが、言葉の端々に感じられたのです。正直、五寳さんがMicrosoftにいらっしゃる限り、IEの次のバージョンは期待して良い完成度になるに違いないとすら思いました。つまり、五寳さんのファンになってしまったわけですが(その割にはパネル中にいろいろ突っ込んでしまってスミマセン)。
最後に。「Web標準の日々」あるいはCSS Niteを巡っては、さまざまな意見が飛び交っているのは承知していますけど、個人的にはある意味とても健全な状況だと思っていますし、僕としては批判は批判として真摯に受け止め、継続的改善に取り組むだけのこと。そのうえで、自分に与えられている立場や環境のなかで「できること」、「すべきこと」、そして「やりたいこと」の三つに邁進するしかありません。それを肝に銘じて生きていきます。