ゴンちゃん逝く
著
嫁さんの実家の飼い犬であるゴンちゃん(名前は「ゴン太」)が、亡くなりました。亡くなった、と書くと自然死のように聞こえるかもしれないけれど、正確には安楽死という選択。その点を巡っては、人によっていろいろ解釈とか意見があると思うし、僕自身思うところはあるにせよ、最期まで傍でつきっきりで面倒を見てこられたお義母さんの判断は、それはそれとして尊重すべきだと思っています。犬は死期が近くなるとよく吠えるそうですが、ゴンちゃんも(既に相当に歳を取っていて、鳴くことなんて無くなっていたのに)昨夜からずっと鳴き続けていたのだそう。獣医さんいわく、その時点で既に余命1〜2日だったらしいです。
ゴンちゃんは、来月30日で16歳を迎えるハズでした。人間の年齢でいえばほぼ80歳でしょうか?すっかりおじいちゃんになってしまい、階段の上り下りはとうの昔にできなくなって、この二年ぐらいは特に老け込んで映っていたけれど、これほどまでに長生きしてくれたことは、周囲にとって喜びであり支えでもあったと思います。僕は正直犬が苦手で、初めてゴンちゃんと会ったときにも、やっぱり相当におっかなびっくりで接していました。でも彼のほうはいたって冷静というかごく普通に接してくれて、トコトコと近くに寄ってきて匂いをかいでは離れていく習慣にも慣れ、また一時期は同じ屋根の下で共同生活をしていた期間もあったから、僕のなかでも完全に家族の一員という認識でしたね。
そして、そういう身近な存在が亡くなるというのは、本当に切ない。頭ではいずれ誰もが(自分自身も)死ぬのだとわかっているくせに、日常生活のなかではそのあまりに近い距離感ゆえ「もう二度と会えない」という状況を想像しにくくて。yuuさんがちょうど人生は、たったの3万日というエントリを書いていたけれど、僕は一体あと何日、家族と接することができるのだろう?ありふれているとしか思えない窓の外の景色は、あと何日眺められる?そんなことを、ゴンちゃんの死によって改めて考えさせられました。
ゴンちゃん、今までありがとう。そしてゴンちゃんの目からすれば迷惑なことをしてきたかもしれない点や、来週から出張に行く都合ですぐとお墓参りに行けないことを、この場を借りてお詫びしたい……ごめんなさい。ゴンちゃんは確かに僕の人生の一部であったし、それは今後も変わらない、と思います。だからどうかゆっくり休んでね。さようなら、おやすみなさい。