SXSWi 2007 DAY1
著
SXSWi 2007初日の覚え書きを少しばかり。正直、時差ボケが酷く一部のパネルでは気絶してしまいました。理想的にはもう一日早く着いて体内時計を調整すべきってことなんでしょうね……昨晩は一睡もできないままイベントに突入してしまったので(おかげでメール処理といった仕事は若干はかどりました)。ちなみに昨年来たときはMYCOMジャーナルに記事(活動の新たなステージを迎えたWeb Standards Project)を書かせていただいたのですけど、今年はそういう約束はしていないぶん、しっかり社内還元しなければ(汗
A Decade of Style
CSSの歩んできた10年という道のりを振り返り、その道の専門家らが過去にどのようにCSSと向き合い、今後の課題についても語り合う、といった趣旨のパネル。個人的にはCSSの魅力を再度確認する時間になりました。Mollyはパワフルという言葉で表現していたけれど、実際仕様として不便なところはあるにせよ、とってもパワフルな仕組みなんだよなぁ。MicrosoftのChrisは、しっかり笑いを取ってましたね……好きなプロパティを挙げる設問に対し間髪入れず「scrollbar color」と言ってみたり。それと、GoogleでVisual Design Leadを務めるDougは元気そうで良かったです。CSSの仕様が課す制約はデザイン上の限界とはなり得ない、といった発言は実に彼らしい主張だと思いました。
How to Bluff Your Way in Web 2.0
After the Brief: A Field Guide to Design InspirationとかThe Influence of Art in Designと迷ったんだけど、結局このパネルに出てしまいました……。このシリーズ、一昨年がCSS、昨年がDOM Scriptingを対象に「分かったフリをする(bluff)」のがテーマなんですよね。Web 2.0を標榜するサービス群に共通の特徴やビジュアルデザインを通じ、JeremyとAndyの二人がテンポ良く語ってくれました。質疑応答の時間でJeremyが語ったことだけど、bad buzz wordってのは解釈が割れるものだ、と。彼にとってはWeb 2.0という言葉もそうで、それよりはsocial mediaと言ったほうがずっと的を射ている、というのには同意かな。(3月13日追記:スライドはAndy Budd::Blogography: How to Bluff Your Way in Web 2.0でダウンロード可能です。)
Unleashing CSS: How I Learned to Stop Worrying and Love Internet Explorer 7
CSS Cook Bookの著者として知られる(いや自分は買っても読んでもいませんごめんなさい)、Christopher Schmittの講演。彼の伝授したIEとのつきあい方?は以下の5点。スライドはChristopher Schmitt » SXSW07: Unleashing CSSにてダウンロードできます。
- Say No to Betas
- ベータ版に変更はつきもの。
- Know Your Adoption Rate
- 彼のサイトではIE7のシェアの伸びはIE6がIE5を追い抜いたときより遥かに急らしい。
- Take an Inventory
- IE7にだってバグはあるので、まとめサイト等を通じ情報収集しましょう、と。
- Keep'em Separated
- 条件分岐コメントのススメ。
- Kick ass
- 改善された実装を積極的に使おう!たとえば透過PNG、属性セレクタ etc.
Ruining the User Experience: When JavaScript and Ajax Go Bad
ユーザー体験を巡ってはさまざまな言葉があるけど、要は良いカスタマーサービスを提供しようということであって、ユーザーを理解することなんだよね、と冒頭で語り、その実現を3つのレベルに分けてわかりやすく解説。(3月13日追記:スライドはAnd now the fun begins ¬ Easy Readerでダウンロード可能です。この記事で使われている写真は僕が撮影したもの!Aaronありがとう。)
- Level1: No frills
- アクセシブルなコンテンツで余計なものが一切なく、クリーンでオーダーにも配慮された意味的なマークアップにより軽量・高速なダウンロードを実現。
- Level2: Dress It Up
- ビジュアルデザインをリファインし、シンプルな対話性をもたせ、Flashを使ったりブラウザ間での互換性を確保し、印刷時などの異なるメディアにもスタイルを提供。
- Level3: Make It Sing
- より積極的な対話性やAjaxを用いたデータ伝送、カスタマイズの可能性をも提供。