MAC POWER 2007年03月号
著
MAC POWER 2007年03月号を買いました。お目当ては第1特集の「iPhoneを生んだ偉大なるクリエイティブ・ディレクター Steve Jobs」です。当初は買うつもりはなくて、ただnobilog2: 久々の大仕事経由で記事の存在を知り、書店で斜め読みぐらいしておこうという魂胆だったのですが……76、77ページの見開きにあった写真(モノの少ないシンプルなリビングルームの真ん中にJobs氏が一人マグカップと雑誌か何かを手にあぐらをかいて座り宙の一点を見つめているような構図)と、その写真の片隅に載せられた彼の言葉「宇宙に衝撃を与えたい」(1982年、Macintosh開発チームに対して)
というのを見た瞬間、これは買って帰るべきだと妙に悟ってしまいました。
Steve Jobs氏といえばもちろんApple社の現CEOであり、その経歴というか足跡はここであらためて紹介するまでも無いけれど、人数制限ナシで尊敬している人を訊ねられたら間違いなく挙げる名前。自分にとってはそれだけ偉大な存在であり、彼の生み出してきたプロダクツは少なからず僕の人生に影響を与えてきたと信じて止まない人物です。崇拝とまではいかないけれど、近いものがあることは否定しません。多分そうでもなきゃ、漢字Talk 7の時代から今に至るまでMacOSに一種の忠誠心にも似た何かを抱き続けられるものではないし。本特集では、そんな彼の軌跡を昔の貴重な写真も交えて振り返っています。数々の名言や、周囲の人々が言い表した彼の人となりは、いずれも味わいがありますね。読み終えて抱いたひとつの懸念は、そう遠くない将来彼が第一線から退く日が来たとして、自分はAppleのプロダクツを買い続けるだろうか?ということ。Jobs氏の思想が組織文化として既にしっかり根付いていればその可能性は十分あるし、そうでなかったら……いや彼もApple社の誰もが、いずれ訪れるXデーに向け全力で氏のDNAを継承するよう努力してくれているものと信じたい。
それにしても、iPodの爆発的流行はモチロン、最近だとiPhoneの発表やDRMに関するコメントなんかもそうですが、彼の思想がPC業界、さらには社会全体に対して与えてきたインパクトは計り知れず、一人の人間が一生のあいだに成し得ることというのはかくも大きなものなのかと、ついため息が出そうになります(いや彼は今なお現役であって、その功績は今後さらに大きなものになっていくのだろうけど!)。そのため息は、決してちっぽけな自分を卑下するあまりの自己嫌悪からではなく、ただひたすら驚きと賞賛から、ですがね。