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情報ブローカーとしてのFirefox

昨年末ぐらいから、Firefoxの将来バージョンがmicroformatsにネイティブ対応する?といった話を目にするようになり、最近に至っては「information broker(情報ブローカー)」なる言葉が登場しています。説明は不要かもしれないけれど、microformatsとは情報を意味付けするには不十分とされてきた既存の(X)HTML仕様における語彙の「草の根的な」拡張であり、relやclassといった属性を用います。これまでFirefoxでmicroformatsを利用しようと思ったら、TailsOperatorといった拡張、あるいはBookmarkletの類を使うしか方法が無かったと思うので、ネイティブ対応は今からとても楽しみです。
個人的にはそれよりも上述の「情報ブローカー」という言葉の意味するところが気になっています。自分が知る限り、発端はおそらくAlex FaaborgのMicroformats - Part 0: Introductionにおける言及で、その後Read/WriteWebにMozilla Does Microformats: Firefox 3 as Information Brokerという記事が登場、そしてInformationWeek WeblogでもFirefox 3: From HTML Renderer To Information Brokerで紹介され、information brokerという言葉が一層注目されつつあるのかな?という印象を抱きました。OperaWidgetsなどは特にその典型ですが、昨今のWebブラウザがユーザーに対し既にWebコンテンツを純粋に閲覧する以外の機能や利便性を提供している以上、それを単にWebブラウザと呼称し続けるには限界(謎)が来ているかもしれないなぁ、などと思っています。ヤスヒサさんが少し前にアクセス解析のこれからという記事のなかでページ単位ではなくデータ単位でのトラフィックということを書かれているのですけど、Webの利用形態としてまさにこのページ単位からデータ単位への移行が一部で起きているわけで(フィードの利用なんかもその一例かな)、そういった背景を踏まえればこそ、Webブラウザが進化の方向性として情報ブローカーを目指すというのは当たり前のことかもしれません。
無論、そうした方向性なり実装が真価を発揮するにはまだ道半ばという状況ではあると思います。microformatsにしてもそうだし、それ以前に意味的かつ構造的なマークアップが今以上に普及しないことには以下略、でしょう。しかしこれもよくある「鶏と卵」的問題の一つに過ぎませんし、まずはそれ(情報ブローカーとしてのFirefox)によって何がどれだけ便利になったり素敵になるのかという実例を示していくことが、いちFirefoxファンとして、いちmicroformatsファンとして必要なことかなぁ、と。

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