NHK特集「赤ちゃん成長の不思議」
著
NHK特集「赤ちゃん成長の不思議」を見ました。なかなか興味深い内容で、特に面白いと思ったポイントを何点か覚え書きしておきます。
- 視線計測結果によると赤ちゃんも人の区別を大人と同様に可能なばかりか、幅広い見分け能力がある
- 童話の読み聞かせ音声とその逆転再生を聞かせ、脳の血流測定で言語野の活性度を測定すると、たとえ寝ながらであってもまるで生まれたときから人間の言葉の特徴を知っているかのように前者により活発に反応する(言葉として自然かどうか判断している?)
- シナプスの密度は、生まれてから数ヶ月で急激に増え、人生最大のピーク(成人の1.5倍)が生後8〜9ヶ月後に訪れ、その後ゆっくりと減り続ける
- 赤外線反射ボールを身体に付けての運動量計測比較を行うと、生後14日より生後2ヶ月のほうが少なく、半年後では再び増えており、つまり成長は必ずしも右肩上がりではなくて、一時的な後退も発達の過程の一部としてある(試行錯誤的プロセス)
- シナプスでは発達に役立つものの取捨選択が自動的に行われているらしく、不要なものを壊して新しいものの可能性を試しながらより良いネットワーク構築を目指していると考えられる
- Univ. of Washingtonにおける「より豊かな成長のために必要な環境」の研究を通じて、社会的な人との関わりが学習効果に影響を与えることがわかってきた(人とのつながりが人を育てる)
- 赤ちゃんはあらゆる環境に対応するための能力を備えて生まれてくるが、その後余分な備えは切り捨てながら試行錯誤と取捨選択を通じて本当に求められる能力を獲得しているらしい