インターネットを初めて利用し始めた頃のこと
著
弊社(何処)の代表が、梅田望夫氏の書いたベストセラー「ウェブ進化論」を少し前に読んだらしく、その感想というかむしろ同書に触発されて思い出された「インターネットとのなれ初め」を、自身のBlogに書いていました。この数日、またもやdel.icio.usからの自動投稿が続いてしまって、自ら覚え書きを書き起こすというのが稀になっていますが、それはともかく僕自身のなれ初めを書いておこうかなと。
初めて大学でインターネットというものに触れてまず感激したのは、電子メールの素晴らしさ、でした。Webの凄さ、素晴らしさにも感動はしたけれど、それは時期的にはもう少し後になってからの話(多分)。電子メールなら、自分の発したメッセージがアメリカだろうとどこだろうと、一瞬で届いてしまう。もちろんそれは電話やFAXといった既存のツールで実現できていたとはいえ、かかるコストが全然違うわけで、そういう意味で時代が変わるなぁと、漠然と考えていました。
また当時、同じ鳥人間サークルにUNIXに滅茶苦茶詳しい先輩が二人いて、そのうちの一人がDAEDALUS(今なお飛行距離・飛行時間ともに世界記録を保持している人力飛行機)の空力設計担当者でMITにいたMark Drela氏とフェアリングの形状を巡りやりとりしていたのには、色んな意味で刺激を受けましたね。日本の学生からの質問にもちゃんと答えてくれたMark氏の親切さに驚きもしたけれど、互いにメールアドレスを持っていてかつ同じ言語を使いさえすれば、どんな相手とでもコミュニケーションが取れる(少なくとも取れる可能性がある)という事実が、とにかく嬉しくて。その結果として、96年の夏には気の早い卒業旅行(待て)と題してSeattleでRAVEN Projectを見学したり、BostonにMark氏を訪ねたりしたんだけども。まぁ、そういう意味では弊社代表の書いていたところの「繋がっている」という思い
に共通した感動、あるいは可能性を電子メールから授かっていたのかもしれません。
業務上は別として、電子メールによるコミュニケーションは昔と比べて格段に少なくなってしまって、最近ではインターネットの個人利用というとWebの閲覧が大半を占めています。それはまぁ、歳を取ったり仕事が忙しくなって交友関係が狭くなったとか、スパムメールの増大に伴いツールとしての魅力が相対的に減ったとか、メールはメールでもメーリングリストに流れる大量の投稿をGmailで斜め読みするのが主流になったとか、色々要因はあります。そんなわけで、今から10年以上の昔、メールのやりとりが本当に楽しみで、大学の端末室にあるSunのワークステーションに向かってはNemacsからmh-eを起動していた日々のことが、懐かしく思い出されます。