僕がmicroformatsに惹かれている理由
著
先日、とある雑誌の編集長の方とお話する機会があって、それはもちろん個人的にではなく仕事上の必要があってお会いしたんですが、つい話を脱線させてしまいmicroformatsについて触れました。そのとき話した内容も含めて、僕がmicroformatsに惹かれている理由を覚え書きしておきます。
第一に、意味的にマークアップすることの大切さや重要性を広く認知してもらうきっかけになるかもしれない、という点。Webのフロントエンド技術は大きく表現(Presentation)、構造(Structure)、振る舞い(Behavior)の3つに分類できるけど、表現にしろ振る舞いにしろ、それらのベースにある構造が文法的にも意味的にもしっかりしていないと駄目なわけです。
上記3カテゴリのうち表現を担うWeb標準のCSSについては、たとえばBlogのカスタマイズなんかをきっかけに多くの人が既に学んではいるけれど、なかにはその土台にあるマークアップが微妙でも気にしない人がいるわけで。そういう人にSEOやアクセシビリティといった既存の視点だけでなく、別の(しかも面白い)視点でマークアップを見直す機会がmicroformatsによって与えられるのではないか、と期待しています。
第二に、(X)HTMLの書き方を知っていさえすれば、その理解や習得が極めて簡単である点。基本的にはclass属性値でもって情報内容を意味づけするだけなので、まったく新しい文法の類を覚えるといった必要性が無いのです。作成済みの文書に後付でmciroformatsを実装することも簡単にできます。そのあたりはたとえばXFN生成ツールやhCard生成ツールを試してもらえれば、直感的に理解してもらえるのではないかと。Designed for humans first and machines second
というコンセプトは素晴らしいと思う所以です。
第三に、このmicroformatsを推進している中心人物の一人であるTantekを個人的に尊敬している点。彼とは何度か会って話もしているけど、AppleではCyberdog、MicrosoftではMac版IEの開発に携わり、ことWeb標準に関して言えばW3C CSS WGで活動しているほか有名なHackもいくつか発明していたりして、僕の知りうる限り最もエキサイティングな経歴の持ち主なのです。彼が思い描くWebの未来像にはとても興味があるし、microformatsがその一角を成すとなれば、やはり同様に興味が沸くというものです。