水面下でも進むWeb標準準拠?
著
少し古い話になりますが、「XHTMLマークアップ&スタイルシート リフォームデザインガイドブック」の著者である境祐司さんのWEB MAKING BOOKS BLOGにて、「もう一つのWebデザインに翻弄される日々」という記事に、気になるくだりがあったので以下に引用します。
あるミーティング、(Webとは接点のない)某業界の人は電話帳のような分厚いファイルをいつも持参してくる。そのファイルは、世界の優れたWebサイトのXHTML、CSS、JSソースをプリントアウトしたものだった。数十ページの一覧表には各々のサイトの分解図と評価が掲載されている。CMSらしきシステムのテンプレートを発注するための研究らしい。驚いたことに、春まで‥この作業を任されているという。
上記の内容については、氏のPodcastingである日刊徒然音声雑記の「激変するWeb関連のミーティング」でも触れられています。少し前に発売されたばかりの「世界の『最先端』事例に学ぶCSSプロフェッショナル・スタイル」で、大藤さんが行っているような分析や研究を、表面上はWebと縁遠いと思しき人々が実は水面下で実践されているのですね。国内の商用サイトでどの程度Web標準準拠(あるいはCSSレイアウト)へのニーズが高まっているかを知るのに、日常業務や個人的なネットサーフィン(死語)を通じてしか方法が無いだけに、これは聞き捨てなら無いっていうか、貴重な情報だなぁと思いました。
このような動きは、仕事上そのような案件が今後益々増えるであろうという意味でも、Web標準の適切な利活用こそがWebの未来をより明るく健全にしてくれると個人的に信じている意味でも、歓迎すべきものかなと。と同時に、Webサイト構築のプロとしては、もっと危機感を抱かなくてはいけないかな?とも感じました。言葉や文化への理解度さえクリアできてしまえば(それはそれで難しい課題には違いないハズですが)、実は日本国内よりも海外の業者や個人に仕事を依頼したほうが、安くて質も良く効果的なサイトを作ってくれる、なんて事態にもなり得るわけで(既にそうなりつつある?)。