iWebのマークアップ品質
著
Macworld San Francisco開催前から、AppleがiWebという名のツールを発表するらしいということは、かなりの信憑性をもって噂されていました。その影響を受け、Sandvoxという別のサイト構築ツールのβ版が前倒しで発表された経緯が、CNET Japanの不運な偶然の一致か--アップルの「iWeb」発表を懸念する「Watson」開発企業という記事で紹介されています。結局噂は現実となり、iLife '06に同梱されるかたちでWebページ作成ツール「iWeb」が発表されたのは周知の通りです。
ところでWaSPのメーリングリスト上ではこの数日、Sandvoxの登場をきっかけとして、iWebについて盛り上がっている最中です(そのうち誰かがBuzzを書くかな)。SandboxはFAQにもあるように文書型には基本的にXHTML 1.0 Strictを採用しており、またページ構造やテンプレートはアクセシビリティに配慮しているとのこと。一方のiWebはというと、詳しく調べたわけではありませんが、iWeb's HTML markup. Not so good.とiWeb-Generated Source Code is Awfulの両記事で叩かれているように、生成するWebページのマークアップ品質はあまりよろしくないようです。両記事からリンクされていたサンプルページは目を通しましたけども(いずれも文書型はXHTML 1.0 Transitionalでした)、文法的にではなく、意味的あるいは構造的な観点からすれば、確かに酷いなぁと感じました。以前「div厨」について覚え書きをしたことがありますが、まさにそういう属性の人が作ったかのページに感じたので。
結局のところiWebとは、HTMLの何たるか、マークアップの何たるかを知らない/知りたくない人向けのアプリケーションなんだろうなと思います。素材をドラッグアンドドロップすればWebページが完成するなんてプロセスにおいて、個々の情報が(X)HTMLのどの要素としてマークアップすべきかという思考をいちいち喚起することはユーザ体験の邪魔でしかない、とでもiWebの設計者は考えているのではないでしょうか。iWebに限らず、WYSIWYGなオーサーリングツールには共通の設計思想かもしれませんが……まぁ僕はまだ実際にiWebに触れたわけではありませんので以下略。