上がれ!空き缶衛星
著
発売からは既にだいぶ日が経ってしまったけれど、まだ紹介していなかったので川島レイさんの著作「上がれ! 空き缶衛星」の感想など。川島さんといえば、僕にとって国際宇宙大学(ISU)の先輩にあたり、またISUを通じて知り合った中でも一際パワフルなお方で、氏の発想や行動力には敬服しています。
本書は、CanSat(ジュース缶サイズの人工衛星)プロジェクトに参加した東大中須賀研究室の取り組みをドキュメンタリータッチ(というか、ややプロジェクトX風?)に描いたもの。学生達の描写は、僕自身の学生生活とかなり重複するところがあって、共感や親しみが湧きました。つまり、彼らにとってのCanSatが僕にとっては人力飛行機であり、CanSatの打上げは鳥人間コンテストの本番に相当したわけで。実際、鳥コンに参加した人(津田氏)もCanSatに取り組んでいたというのは興味深い事実。
ものづくりというのはPDCAサイクルを学ぶには本当にもってこいで、その対象が人工衛星だったらどんなに素晴らしいだろうと思います。CanSatに学生達を導いた教授陣に拍手。ただ、卒論や修論とは別扱いだったということで、衛星作りと研究の両者を同時並行で進めるなんて器用な真似は僕には出来そうにありませんがwにしても、こういう研究室に入っていたら、やっぱり人生変わったかも、なんて想像するのもまた楽し。