9・11ジェネレーション

2004年5月2日 著

集英社新書「9・11ジェネレーション—米国留学中の女子高生が学んだ『戦争』」を読了。著者は小6で英検1級、中2でTOEIC 975点を取得したという秀才ぶりが触込みの岡崎玲子さん。本書では名門高校（チョート校）に在籍していた著者が、9・11以後における体験を通じてアメリカの姿を主に描いています。
読み終えたときに痛感したのは、メディア・リテラシーについての適切な教育とか、自由に物事を議論し合える環境の大切さ。強大な軍事力を備えたアメリカが完全なる独裁国家の一歩手前で踏みとどまってるように見えるのは、それらを「かろうじて」今だ確保していることが一因ではないか、と思う。逆にそういう部分の健全性を失っちゃったらオシマイだろうなぁ。それはもちろん日本についても言えることで、ともすると脊髄反射で対米追随とかアメリカナイゼーションを容認しがちなんですが、可能な範囲で調査をし、自らの脳味噌で感じたり考えたりしたうえで、行動しなければ。
インターネットのおかげで、情報を入手すること自体は比較的容易であるだけに、情報内容の検証能力が問われる時代。授業の場でネットに初めて触れるであろう小学校では、その点をどこまで深く捉えた教育が施されているのかな……。