18日目(2000/1/12)
Miami空港に着いて早々、またも行列に巻き込まれることに。並び始めてから入国審査を終えるまでに、なんと1時間もかかってしまった。6時過ぎに飛行機を降りて、7時に入国審査を終えたのだけれど、なんとその7時丁度が次のSeattle行きの便の搭乗開始時刻である。荷物を受け取ろうと電光掲示板を見るとテーブルNo.が8番と表示されていたのに、そこへ行くと(とっくに出てきているはずの時刻なのに)荷物が無い。係員のおばさんに聞くと「5番に変わったよ」とあっさり言われ、無事スーツケースを確保。
いったん出口にでて再び荷物預け場所へ。そこのオネエチャンに飛行機はゲートはE32だから急げ!って言われたから、いそいでTramにも乗って走って行ったのに、E32は誰もいない。おかしいぞーってあらためてディスプレイを見るとなんとD11との表示が!またしてもやられてしまった。
とはいえむかついている暇は無い。再びTramに乗り、D11ゲートまで全速で走る。なんとか、出発10分ぐらい前に「正しい」搭乗ゲートにたどりつくことができた。しかしまったく、何をどう信じていいものやら。
ようやく日本へ向かう飛行機が離陸した。
Seattleに到着する直前は、とにかく懐かしいSeattleの町並みを少しでも見ようと(窓際の席であったこともあってか)ずっと外を眺めていたんだけれど、ずっと五里霧中のような状態で、なかなか下の景色を見ることができなかった。あぁやっと雲を抜けたかな、と思ったらもうすぐ下が町並みだった。
次の成田に向かう便はすぐ近くのゲートだったので、乗り換えは楽だったのでよかったけれど、時間がほとんど無い。しかしこれまたラッキーなことにすぐ目の前にStarbucksが。いそいそとHot Caffe Mocha(Tall)とCinamone Rollを注文、消化する。しかし、あまりにも急いで食べたせいか腹の調子が悪くなってしまった。それとこのシナモンロールってのがすごく食べづらい!いや、味は悪く無いんだけど。
飛行機に乗ってからは、とたんに周囲から日本語が聞こえてくる。もちろん船に乗っていたときは王さんと日本語で話してはいたけれど、しかし周りから聞こえてくるということは断じて無かったわけで、既になんか日本に帰って来たような錯覚に陥る。朝日新聞の衛星版に目を通したけど、たいしたニュースは無い。これであとは9時間近くをどう過ごすかというだけが課題だ。
思考の整理についてはもうほぼ済んでいる、今までに考えてきたことについては。親との和解、というか、彼等に対しいかに自分の思想を理解してもらうかについてはこれはとにかく一筋縄にはいかないと思う。まずは自分の信念を貫いて行動を起こし、その結果を(1〜2年後くらいまで時間をおいて)みてもらって、それで納得してもらうしかない。
もちろん、その時間の間に圧倒的な説得力をもって(親を、そして自分自身をも)納得させられるだけの材料を揃えていかなければならないわけだけれど、それはそれで頑張るしかない。とにかく価値観の落差はそんなすぐとうめられる類のものではないから、時間をかけることが肝要だと感じる。逆にいえば、時間という猶予をもらったうえで精一杯の努力を怠らなければ、あかの他人ならいざしらず実の親なのだ、理解してもらえないことは無いだろう、と考える。基本的には楽観論者なので、とりあえずはそうすることにしておく。(爆)
現在、日本時間で午後1時少し前。到着まであと3時間ほどだ。しかしこのフライトは今回の旅の中で最もしんどい、つまり最も長く感じるフライトだな。お陰で、完全な理解には程遠いながらも「地球環境論」も読み終えてしまい、いよいよやることがない。
しかし、地球環境の変動については南極の自然を目の当りにして帰って来た今考えてみると実に興味深い。南極地域は、地球規模での環境の変動に対し非常に重要な意味合いをもっているわけだけれど、特に来世紀の予測される温暖化を控え今後どのように南極が、そして世界がその姿を変え、あるいは罪深い人間に罰をくだすのか。またそれに対し人間が(それに対応することができるだけの能力を本当の意味でのデッドエンドまでに備えていれえば、の話ではあるけれど)どのように切り抜けていくのか、さらにはその過程に対し僕自身がどのような関係性をもって臨むか。今後じっくり考えていきたい課題の一つではある、はい。