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まず、戦略思考を変えよ

本日、覚え書きをする田坂広志先生の著書は『まず、戦略思考を変えよ:戦略マネジャー 8つの心得』。

そもそも「戦略」の本質とは「独自性」であり、「差別化」に他ならない

「ブランド」の説明かと見まごうばかりに、力強く戦略=差別化、と語っていらっしゃる。差別化した点が、顧客に選ばれる理由となり得る前提においては、確かに差別化することが戦を略すことに繋がるわけで、御意。

「リスク感覚」という能力は、人間にとっての最も高度な能力であり、それを磨くための不断の努力を通じてのみ身につけることができる能力であることを理解すべき

ここのところは、山歩きを趣味にして正解だったなと思いながら読みました。山で何か起きても基本、頼れるのは自分一人という想定で事前の準備や当日の行動をするため、比較的安全な都市部で生活している限り得難いリスク感覚は、多少なりとも身についているはず。

第一に、市場における「主戦場」の移行していく方向を見定めることです。第二に、その場所に「先回り」をして、そこに「戦陣」を築くことです。第三に、その「主戦場」が移行してくるのを待つことです。

難しいのは、主戦場を読み間違えていた場合の対応かな。仮に主戦場が移行してこなかった場合、損切り的なことはやらなければならない。いつまで待ち続けるか、何をもってして方向を見定め直すべきか。やはり撤退条件的なものの定義も同時に必要そう。

「偶然」に任せているようで、明確な「意志」を持ち、「意志」に従っているようで、「偶然」を積極的に生かす

「波乗り」型の戦略思考について語っているくだりですが、これに限らず、二項対立的な関係にある両者を引き合いに、そのどちらかではなく両方を必要とする傾向を田坂先生の主張から感じてしまうのは、先生の思考が全体的にアウフヘーベン的であり、なおかつ螺旋的発展の法則に則っているから、なんでしょうな。その辺りの一貫性を強く感じます。

我々が決して忘れてならないのは、「予測不能の環境の変化が起こり得る」ということや、「生身の人間の判断には限界がある」ということ

上記は、たとえ完璧な戦略を作れたところで、それがうまくいく保証などどこにもないよ、ということを記したくだり。ゆえに二の矢、三の矢の必要性も説いてらっしゃる。近年のコロナ禍やロシアの侵攻問題がパッと思い浮かぶからこそ、「予測不能の環境の変化が起こり得る」のは特に、切実に感じられました。

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