「The NEXT WEB CONTENT 2015」を終えて
著
10月24日、せんだいメディアテークにて株式会社インフォアクシアの設立11周年記念イベント「The NEXT WEB CONTENT 2015 これからのWebコンテンツ、どうなる? こう変わる!?」が催されました。自分は「変わりゆくWeb」と題した基調講演をさせていただきました。参加してくださった皆様、運営側で協力してくださった皆様、そして貴重な登壇機会をくださったインフォアクシアの植木さんに、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。当日の関連するつぶやきは、The NEXT WEB CONTENT 2015 #tnwc2015 - Togetterまとめにまとめました。
基調講演については、当初の予定より10分近く遅れてのスタートになったため、進行を元に戻すべく自分なりに早口かつ一部重要でない内容を端折りながら話したのですけど、焦りすぎたのか? なんとビックリ予定時刻より早くに話し終えてしまったという。事前のリハーサルでは、軒並み3〜5分オーバーの内容だったハズなのに恐ろしい......かくして、2006年の「Web標準の日」以来にして生涯二度目の基調講演は、時間配分を誤るという大失敗に終わり申し訳ありませんでした。ぶっつけ本番で使用したコクヨの黒曜石を問題なく使いこなせたのが、唯一の救い。
後続のヤスヒサさん、住さん、植木さんそれぞれの講演を拝聴した感想としては、「コンテキスト」というキーワードで緩く繋がっていたように思います。イベントのテーマがWebコンテンツですから、コンテンツと表裏一体であるコンテキストにもフォーカスが当たるのは、ごく自然ではありますが。フリートークが始まる直前につぶやいた通り、環境は変われど、多様なコンテキストにどこまで寄り添ってコンテンツをユーザーに提供できるか、という命題は変わらない。その取っ掛かりとしてのアクセシビリティの重要性は、今後も変わることはない
......とも(全体を通じて)思いました。
素晴らしかったのが、各セッションの冒頭を飾った動画コンテンツ。都度The Viking and the Lumberjackのお二人によるセッション紹介に続いて、植木さんの姪っ子? お二人による寸劇が!! それが何とも微笑ましく可愛らしい。まさかそんな仕込みを用意されていたとは、さすが植木さんだなぁと感心してしまいました。動画は後日、YouTubeなどで公開はされないのでしょうか? イベント当日の来場者限定とするには、ちょっと勿体無いと思うぐらい、素晴らしい出来だったと思います。
そして印象的だったのは、植木さんがご自身のセッションの中で、インフォアクシアとして起業されるまでの経緯にそれなりの時間を割いてお話ししてくださったこと。詳細はここには書けませんけども、過去にお勤めの会社でどういうサイトにどういう立場で関わってらしたのか、かなり具体的にお話しされていて、その大半が自分にも初耳の内容だったぶん興味深かったです。植木さんがなぜWebアクセシビリティに取り組んできたのか、その原点を共有されたというのは、起業11周年を記念するにふさわしい、イベント中で最高のコンテンツだったように思いました。
最後に、植木さんへ。インフォアクシア設立11周年、改めまして本当におめでとうございます。誇張と言われようとも、日本におけるWebアクセシビリティの普及はインフォアクシアの、植木さんのご尽力に依るところが大きかったと思いますし、その過程におけるさまざまな取り組み(本イベントを含む)でご一緒させていただけたことを光栄に思います。障害者・高齢者対応にとどまることの無い、Webコンテンツに必須の「品質」としてのアクセシビリティの普及など、取り組むべきことは多くありますが、JIS X 8341-3の改正と障害者差別解消法の施行を控え今後益々、ご活躍ください。微力ながら、自分も喜んで協力をさせていただきます。
[ 2015-10-29 追記 ] 本日、参加者の方に配信されたフォローアップメールに載せていただいたコメントを転載しておきます。
基調講演を担当しましたミツエーリンクスの木達です。仙台にお住いの方も、遠路はるばるお越しになった方も、当日のイベントへのご参加、誠にありがとうございました。いち登壇者として、改めまして御礼申し上げます。
私の講演については、予定よりも遅い時刻からのスタートとなったため、重要ではない内容を端折りながら早口でお話しすることで、進行を少しでも予定通りに戻そうと思ったのですが......結果は皆さんご存知の通り、予定時刻よりも早く終わってしまう結果に。要所での時刻確認を怠った不手際を、深くお詫びいたします。
Webにアクセスする「ユーザー」も、ユーザーの使う「デバイス」も多様化し続けるなか、それらの掛け合わせとしての「コンテキスト」もまた、多様化し続けます。そうした変化にも柔軟に対応し、コンテンツをユーザーに届け得るのは、他に類をみないWebの利点であり、コンテンツとユーザーをとりもつ「ユーザーエージェント」の為せるわざでありましょう。
やがて人類は、ユーザーエージェントを介することなく、「電脳」のようなかたちで直接、コンテンツにアクセスできるようになるかもしれません。短期的にそのような技術が実現することは無いにせよ、これからも訪れるであろう様々な変化を乗り越えて、Webでコンテンツを流通させるための鍵は、アクセシビリティという「品質」だと思います。
基調講演が、そうした理解なり認識を深めていただく契機となれたら幸いです。業務内容は人それぞれ違えども、Web業界に働きWebの未来に対し責任あるプロフェッショナルとして、Webのもつ可能性の最大化に共に取り組んでいきましょう。
フリートークで触れましたように、来る12月5日、仙台にオフィスを構えるメンバーズさん、マクロミルさん、ミツエーリンクスの3社共催で、Web/IT業界のトレンドに関するイベントを開催する予定です。同イベントで、私はWebアクセシビリティをテーマに登壇するため、再び仙台を訪れます。よろしければまた、その時お目にかかりたいと思います。