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ウェブから学ぶ電子出版の可能性~多様な読書スタイルを考える~を終えて

5月7日の覚え書き。ドットDNPで開催された、ウェブから学ぶ電子出版の可能性~多様な読書スタイルを考える~に登壇させていただきました。ゴールデンウィークの狭間のタイミングであり、集客的にどうかなぁと思っていたのですけど、予想より大勢の方にご参加いただき、嬉しかったです。ありがとうございました。司会進行をされたDNPの佐々木さんに伺ったところ、やはり書籍や出版関係のお仕事をされている方が多く集まられた模様。普段は業界なり立場が近しい方向けに講演することが多く、そういう意味ではかなり「アウェー感」を感じての登壇となりました。もっとも、そうであったがゆえに、Web業界からのインプットという感じでWebコンテンツのアクセシビリティに特化した内容(Webデザインにおけるアクセシビリティへの取組み)を講演させていただいたのは、多少なりとも意義があったかなと。

僕の次に登壇された山岸さんの講演「読書体験を考える」は、その後のトークセッションに繋げる一種の問題提起として大変興味深かったです。そもそも山岸さんのお話をじっくり拝聴する、というのは今回が初めてだったということもありますけど。読みたい本が電子化されてなくて残念な思いをする、というのは僕もたまーにありますね......自分の場合、電子書籍はとにかく場所を取らない点に最大の価値を感じていて、全部が全部ではないにせよ、紙版と電子版の両方が手に入る状況があれば、電子版を好んで購入する傾向にあります。あと、読書のコンテキストが日々変わるもの、というのは改めて考えてみると確かになぁと。たとえ同じ本を同じハード、同じソフトで読み返すにしても、最初に読んだときの自分とは精神的にも肉体的にも変化している(=マインドが異なる)わけだから、やっぱりコンテキストは変わってるんだよね、と。

最後の佐々木さん、山岸さんと三人で臨んだトークセッションでは、質疑応答の時間を含め、自分の頭をうまく回せずあっちこっちに論点を発散させてしまって、だいぶ申し訳なかったです。まぁ、僕自身は楽しいひとときを過ごさせていただいたのですけど、参加者の皆さまはどう感じられたでしょうね。より充実した読書体験を提供するにはサービスデザインという発想が大切だし、また電子書籍のサービスデザインを考えるとき、多様なデバイスなりコンテキストに対応するためにもアクセシビリティという品質を考える必要があるよね? っていうイベント全体を通じてのメッセージを、トークセッションの時間にどこまでお届けできたかわかりませんけど。

イベントを終えて。物理的なカタチあるモノという前提でパッケージされてきた書籍が、物理的なカタチと引き換えに電子化されたとき、それをなお電子「書籍」と呼称すべきかはさておいて、デバイスとかスクリーンサイズなんかに(スクリーンの有無にすら)縛られない多様な出力、多様なユーザーニーズに対応し得る変幻自在さ、すなわちアクセシビリティが大事になっていくだろうなぁ......という思いを新たにしました。そして願わくば、どこのオンライン書店で買ったかという違いをも乗り越えることのできる相互運用性が、電子書籍の世界で実現されることを。「書店ごと」に自分の本棚を管理なんてしたくないし、どこで買ったかによらず、単一の本棚のなかですべての電子書籍を管理したり、横串で検索したりできるようになって欲しいものです(かなり難しいとは思いますけど)。

以下、参加された方のご意見、ご感想など:

[ 2015-05-13 追記 ] イベント中、撮影していただいた写真をいくつかウェブから学ぶ電子出版の可能性~多様な読書スタイルを考える~ | Flickr - Photo Sharing!のほうで公開させていただきました。

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