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スクリーンリーダーユーザーのためのユーザビリティ≠アクセシビリティ

標題で言いたいことは言い切っているのですが、まぁ、そういうことです(両者に包含関係はあれど完全一致ではない)。一般論として、ユーザビリティとアクセシビリティには深い相関ないし類似が認められるというのは間違いないでしょう。たとえば、あるユーザーにとってユーザビリティ上の効率が極端に低下した状況というのが「事実上の」アクセス不能であって、ゆえにアクセシビリティ上の問題があると解釈することは可能でしょう。とはいえ、両者について自分は割と「混ぜるな危険」という立場を取ることが多く、可能な限り切り分けたうえで議論なり設計・実装に取り組むことを好みます。そのベースとなっている考え方は、過去の覚え書きでいうと

辺りで書いて来た通り(ほかにも複数の記事で言及してきたけど割愛)。で、なんで今さらまた同じことを書いているのかといえば、最近になってMarkup Cafe FUKUOKA Vol.1開催レポート~福岡で盛り上がる!HTML5マークアップのアイデアあれこれ~ | HTML5Experts.jpという記事を読んだから。そのなかで、マークアップ部の部長でいらっしゃる村岡さんが、次のように書いていました:

余談ですが、このクラス名"sr-only"はBootstrapで使われているクラス名を参考にしています。BootstrapのようなCSSフレームワークでもアクセシビリティが考えられているんですね。

確かに、Bootstrapがアクセシビリティに配慮しているのは確かなのですが、その根拠としてsr-onlyというclass名の採用を持ち出している点について、自分は異論をもっています(Bootstrapのアクセシビリティ対応は実は十分ではなく、ゆえにPayPalのひとがAccessibility Pluginを作ってますよ? というのはそれはそれとして)。

そもそもsr-onlyとは何ぞや、というとScreen reader contentに書いてあるのですけど、要するにスクリーンリーダーユーザーに特化した配慮を行うための存在であり、画面上からは隠すけれども音声読み上げ環境には読み上げさせたりすることを意図したスタイルフックなんですね。そういう考え方もアリといえばアリなのですが、自分の視点からすると、アクセシビリティ対応というよりスクリーンリーダーユーザーのためのユーザビリティ対応だと思うのです。古くは2007年にRe: 第18回 XHTMLの設計〜状況に合った要素選び(3)〜という記事のなかでも似たようなことを書いてますけど。また、同じことは先のMarkup Cafe FUKUOKA Vol.1の記事で登場する

パンくずのデザインで使われている">"を画像とし、alt属性値を"の中の"とすることで、スクリーンリーダーで「◯◯の中の◯◯」と読み上げる配慮をしています。

というくだりについても言えます。果たしてそれが本当に配慮といえるのか? 階層が深くなったとき、何度も繰り返し「の中の」と読み上げられることが、本当にユーザーにとっての利便なのか? といったところを自分は疑問に思っているのですけど、パンくず(謎)について語るとまた長くなるので、第1回アクセシビリティBAR~初夏のパンくず祭 | 水無月ばけらのえび日記を読んでいただければと(謎

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