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レスポンシブWebデザイン≠マルチデバイス対応

最近読んだ» Defining Responsiveness Cloud Four Blogという記事のなかで、何がレスポンシブWebデザインで何がそうではないか、みたいなことが書かれていました。以前から自分もセミナー等でも繰り返し言ってきたことではあるけれど、Ethan Marcotte氏の唱えた原義に照らすならば、レスポンシブWebデザインを名乗るための要件というのは、次の3つしかありません。

これらすべてを使ってコンテンツが実装されていればレスポンシブWebデザインだし、使っていなければ、たとえそれっぽく見えてもレスポンシブWebデザインとは言えない。にもかかわらず、モバイル・ファーストだの何だのと、確かにそういう要件も盛り込んだほうが適切かもしれないけれど原義には含まれない何か、を勝手に加えて「おれおれレスポンシブWebデザイン」が語られるケースがあるっぽいから、ややこしい。

もっとも、何をもってしてレスポンシブWebデザインと呼ぶかなんてことは既に瑣末であり、むしろ現況に照らして啓蒙が必要だと思うのは、レスポンシブWebデザインを採用したからといって多様なデバイスに対応できているとは限らない、という事実かなと。先の記事を受けて書かれたBeyond Responsive - TimKadlec.comの次の一節は、レスポンシブWebデザインの原義と合わせて、もっと喧伝されるべきように感じたんですね。

Responsive design won't fix your content problems. Considering screen size only while ignoring other factors won't give you the best possible experience. Responsive design does not allow you to forget about performance.

原義通りに解釈する限り、レスポンシブWebデザインが提供するのはあくまでも見た目に限った、スクリーンサイズのバリエーションに対する解に過ぎず、それ以外の諸々については別の視点なり切り口から取り組む必要があります。だからこそ、「レスポンシブWebデザイン=マルチデバイス対応」とは限らない点に注意したい。じゃあマルチデバイス対応において必須の要件は何か?というと、

の3つに収斂されるのではないか、と考えています。もちろん、デバイスごとの能力を活かしたデザインなり実装というのも必要だけれども、それを突き詰めようとすると全体最適のつもりが部分最適に陥る懸念があるので敢えて割愛。まぁ全体的なトレンドとしては、A Responsive New Year to You All! | Web Directionsという記事の冒頭でMaxine氏が書かれているように、we might be approaching a time when what we have been calling "Responsive Web Design" simply becomes "Web Design"というのは間違いないんだろうなぁ。

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