Re:Re:Re: 公的機関Web担当者のためのアクセシビリティセミナーin大阪 ~JIS X 8341-3:2010 対応のすすめかた~に参加してきました。
著
何度でも繰り返しますが、以下の返信は僕個人の考えであり、ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)を代表してのものではありません。その点はあらかじめご了承ください。ご理解、ご納得いただけなければ是非、WAICまで直接、ご意見なりご質問をお寄せいただければと思います。少しお時間はいただくかもしれませんが、委員会として正式に回答差し上げますので......という前置きはさておき、みるくさんのRe:Re: 公的機関Web担当者のためのアクセシビリティセミナーin大阪 ~JIS X 8341-3:2010 対応のすすめかた~に参加してきました。でいただいたご質問について。
同じ達成等級AAに準拠しているサイトであっても、アクセシブルの度合いに差があるのは、ごく自然なことであるのは、試験者によって判断の違いがあるという事と同じ項目で適合でも実装方法がサイトによって違う事が理由になるのでしょうか?
試験者によって判断の違いがある
というのは違います。元記事で書かれている達成基準7.2.4.5を例に挙げますが、同基準を達成するのに用いる実装方法の数が必要最小限の2つであっても、達成基準 2.4.5 を理解するに例示されている全て(=6つ)であっても、AA準拠に必要な条件は(達成基準7.2.4.5に関しては)等しく満たしているものの、どちらがよりアクセシブルかと言えば、より多くの実装方法が採用されているほうであり、そこに差が生じ得るという意味で「自然」という表現を使いました。
同じ達成等級AAに準拠しているサイトでアクセシブルの度合いに差があっても問題ないという事なのですね。
問題ありません。達成等級は一種の基準ですから、AA準拠であっても例えば(先の例の繰り返しになりますが)達成基準7.2.4.5を満たすのに必要最小限の数より多くの実装方法を採用するとか、あるいはAAAの一部項目にも対応するといったかたちで、よりアクセシブルなサイトを構築することはできるでしょうし、そのほうが望ましいと言う事はできると思います。
また、等級AAに準拠しているかどうかは目安でしかないとの事なのですが、目安という言葉がどうしても腑に落ちないのです。 目安というのはあいまいさを含んでおり、おおよその基準という意味になると思うのですが、 そうすると、あんなに難解な文章を何度も読み返し、結構厳しく細かい所まで規定がある中でJIS X 8341-3:2010に沿って、隅々まで チェックした結果が目安にしかならないと思うととても残念なのですが...私が硬く考え過ぎなのでしょうか?もっとアバウトな感じでいいのでしょうか?
言葉に対する印象は人それぞれかと思いますので、そこには敢えて触れません。ただ、目安という言葉、表現を使ったことが間違いだとは自分は考えていません。アクセシビリティの度合いをA、AA、AAAという3つの段階で表現すること自体、随分と割り切った(見方によっては乱暴な)「目安」であると、自分は捉えています。自分はみるくさんが硬く考え過ぎ
だとも、もっとアバウトな感じでいい
とも思いませんが、アクセシビリティの尺度についてはある程度割り切って考える必要があるようには思います。
JISの試験を行うという事は始まったばかりなので、同じ等級AAで他のサイトとアクセシビリティの高低差があったとしても、まずは試験を行い不適合の個所を修正してアクセシブルにしていくサイトを増やすという時期という事なのでしょうか?
繰り返しますが、達成等級は一種の基準です。AにしろAAにしろ、満たしている最低限の品質を言い表しているに過ぎません。上記のくだりは、そのような理解をされていないために生じた疑問かと思います(これまでの自分の説明が分かりにくいようであれば、その点は大変申し訳ありません)。
同じ達成等級に準拠したサイトが、すべて同じレベルのアクセシビリティを提供しているとは限らないという事ですが、 すべてではないにしてもほぼ同じレベルのアクセシビリティを提供しているという事でないと試験や達成等級が意味をなさなくなってくると思うのですが、いかがでしょうか?
どうしても繰り返しになってしまいますが、自分の理解において達成等級が表現しているのは基準であり、満たしている最低限の品質だということです。その点をご理解いただければ、試験や達成等級が意味をなさなくなってくる
という結論にはならないと思います。