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覚え書き

Re: レスポンシブWebデザイン談義【返信記事】

いただいた書籍『レスポンシブWebデザイン 制作の実践的ワークフローとテクニック』について覚え書きしたところ、有り難いことに著者の渡辺竜さんから返信「Rriver » レスポンシブWebデザイン談義【返信記事】」をいただきました。疑問に思っていた部分を解消することができ、こういうときはBlogを書き続けてよかったなと思えます。基本的には日記代わりの、自分自身のための覚え書きではあるのですが。でまぁ、ちょっと粘着ぽくなってしまうのですけど、いただいた返信の一部にさらに返信してみます。

難しい問題ですが、ビジネス向けのウェブサイトでは費用対効果を重視せざるをえないとすると、アクセシビリティは2の次になってしまっているのが、アクセシビリティ対応ができていない企業ウェブサイトの現状ではないでしょうか?

現状は、企業の側がアクセシビリティ対応の重要性を十分認識できておらず、それゆえに取り組みの優先度を下げがちであると認識しています。しかし元をただせば、企業にWebデザインを提供する制作会社なり制作者の側が、そもそもアクセシビリティを重視してこなかったからこそ、の現状とも認識しています(当然ながらこれは過去の僕自身に対する猛省を込めて)。アクセシビリティの確保を必須と考えず、Webのデザインプロセスの一部として標準的に組み込んでこなかったからこそ、追加費用で賄うべき対象、つけてもつけなくても良いオプションとの見方がWeb業界の内外を問わず蔓延している、と。僕としては、勤務先やウェブアクセシビリティ基盤委員会での活動を通じ、そうした現状をあるべき姿にしたい、つまりすべてのWebプロジェクトにおいて一定のアクセシビリティ対応は必要不可欠との考え方を常識化させたいと思っています。まだまだ、道半ばではありますが......そのあたりの方法論については、第4回アクセシビリティキャンプ東京で議論する予定。

ウェブサイト(もしくは情報発信源)は、ユーザが情報を好きなときに好きなカタチで読めるような柔軟なものに、ゆっくりですが、なっているような気がします。

同感です。そして、レスポンシブWebデザインという考え方には、上記でいうところの柔軟さを啓蒙する役割もあると思います。まだまだ、Webのデザインを紙のデザインと混同して捉えている人は少なくないでしょう。いわゆる「ピクセルパーフェクト」に拘泥する人々がそう。そういう人たちに、Webメディアのもつ柔軟さを理解していただくのに、レスポンシブWebデザインでつくられたページというのはうってつけではないかと。

ちなみに、アクセシビリティへのこだわりは、ウェブはどんな人でも、どんな端末からでも平等にアクセスできるべきというW3Cの理念に基づいたものでしょうか?他にも理由はあるのでしょうか?木達さんのアクセシビリティへのこだわりや思いにすごく興味があります。

W3Cの理念というか、Webの発明者であるTim Berners-Lee氏の言葉、The power of the Web is in its universality. Access by everyone regardless of disability is an essential aspect.に基づくところが大きい気がします。僕はこの言葉が本当に好きで、ゆえに勤務先のサイトのアクセシビリティについてというページでも引用させていただいています。あとは個人的に正しいこと全般に興味があって、もちろん正しいというのは相対的な概念との自覚はあるのですが、正しいWebデザインとは何か?という命題に対し、アクセシブルなデザインというのは間違いなくひとつの解だと思っています。また、今いるWeb業界で生き残る(食べ続ける)ための一つの戦略として、アクセシビリティを僕個人の(そして勤務先の)強みにしたいという「こだわり」もあります。

個人的にも違和感が残る部分ですが、IE対応の複雑さを考えると、ここは仕方がないと自分を納得させています。

納得に至る過程が、書籍において十分に表現されていないように感じるのが個人的には残念です。そうした過程なり背景を理解することなく、単純に真似をする(内容のない要素をマークアップする)人が、読者のなかからきっと出てくるでしょう。実際のところ、内容のない要素がページ中に存在したところで、閲覧した人が何かすごい実害を被るかといえばそうではありませんし、それをいちいち指摘するのは神経質過ぎるかもとは思います。しかし、こうした古いブラウザ向けのバッドノウハウはいずれ淘汰されるであろう存在であり、基本的には忌避すべきテクニックです。レスポンシブWebデザインが体現したFuture Friendlyというスローガンにも馴染みません。ですから、内容のない要素のマークアップが苦渋の選択であることは、強調しても強調し過ぎることはないと思うのです。

いまのところ、RWDではすべての端末で総合的には同じユーザ体験を提供できるようにするという考え方が一番しっくり来ているので、プログレッシブ・エンハンスメントを「ブラウザの機能にあわせてサイトの機能を補強(強化?)する」と捉えた場合、端末によって機能に差が出てしまうというのに少しだけ違和感が残ります。

たとえレスポンシブWebデザインで制作しても、メディアクエリーに対応していない閲覧環境では、スクリーンサイズに適したレイアウト、ビジュアルデザインにはなりません。しかし、だからといってページがまったく見れない・使えないということはありませんよね。モバイルファーストならモバイル向けの、デスクトップファーストならデスクトップ向けの表示がなされる「だけ」です。つまり、より優れた(メディアクエリーに対応した)閲覧環境に対しては、より適したビジュアルデザインを提供できるというのがレスポンシブWebデザインであり、それはまさにプログレッシブなエンハンスメントである、と自分は考えます。

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