Perdix 名前の由来
その由来は、ずばりギリシャ神話です。
名工であったダイダロスがクレタ島の監獄から、鳥の羽をロウで固めた翼を用いて息子のイカロスとともに逃げ、ダイダロス本人は逃げおおせたものの息子のイカロスはあまりにも高く飛びすぎたため、太陽からの熱でロウが溶けてしまい墜落してしまった、というのはあまりにも有名なギリシャ神話です。
この神話を、1988年当時の持てる最高の科学技術を用いて再現したのがMITの人力飛行機ダイダロスであり、その名前はもちろん名工ダイダロスの名を冠したものです。クレタ島から一番近い陸地であるサントリニ島までの116.6kmを、パイロットであるカネロス・カネロプロスの持つ筋力のみを動力源にして飛び切ったその記録はいまだ世界記録であり続けています。
しかし、そもそもなぜダイダロスは監獄に閉じ込められたのかを知らない人は少なくないのではないでしょうか。僕自身、それを「Perdix」という機体名称の発案者から聞くまでは全く知りませんでした。
実は、ダイダロスには甥がおり、彼はダイダロスをも上回る程腕の良い職人でした。彼の名前をペルディクス(Perdix)というのです。ペルディクスの素晴しい能力をねたみ、自分の立場を危惧したダイダロスは、彼を崖から突き落として殺してしまったのでした。ダイダロスはその罪を問われたため、クレタ島に閉じ込められたのです。
そして一方殺されたはずのペルディクスはどうなったかというと、哀れんだ女神アテナの手によって一羽の鳥に姿を変えられた、ということです…。