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Perdix 駆動系詳細

駆動系とは?

WASA鳥人間プロジェクトの95年度の体制において、駆動系パートは以下のパートの製作及び調整、管理を行ないました。設計は僕が行い、製作作業は主にパートリーダーのS野さんを中心に4名で進めました。

メインフレーム

設計は、予算の都合上格納庫に眠っていた(?)カーボンパイプ(群)を使用(一部は再利用)せざるを得ず、94年度から極限設計を主眼に置いた有限要素法の学習を行なってきましたが、パイロットとしての責務とのかねあいもあり、また十分な時間もないため、結局UNIXの簡易有限要素法プログラムであるveltを用いて昨年度の駆動系メインフレームとの比較検討をモチーフとした剛性設計を行ないました。

早稲田大学理工学部第4端末室にて

材料としてはそのほとんどをカーボンとエポキシ系接着剤のみに頼っています。製作方として、今年度は新たに定盤を用いた製作方を用いています。定盤とは、自転車のフレームを製作する時に使用する道具で、これを理論的にまねて製作しました。

定盤とその上に乗せられたメインフレーム

全てのパイプはカーボン繊維を焼き固めて作られいるため、黒い色をしています。

接合作業のほとんどを終えたメインフレーム

ちなみに定盤は僕の自宅で材料を揃え、組み立てられた後に日本女子大の会議室をお借りした作業場まで僕の父親のトラックで運びこまれました。

プロペラユニット

プロペラユニットは、94年度とはかなりその仕様を変更しました。

プロペラ取付側より

まず、プロペラが取り付けられるシャフトは2個の単列アンギュラ玉軸受けにより支えられ、これらはそれぞれ同一のアルミニウム製のハウジングに格納されます。

プロペラ駆動用スプロケット取付側より

シャフトが回転力を受けるスプロケットはプロペラと丁度反対側の端に方持ち支持されます。ハウジングや歯車に空けられたたくさんの穴は、軽量化に一役買っています。

これらの部品群(プロペラユニット)は格納されるテールビーム(胴体部カーボンパイプ)に対しハウジングを通してねじ止めにより機体に固定されます。

パワー伝達

パイロットパワーの伝達経路についてはその仕様は94年度と全く同じです。地上滑走時、機体全体を(静止状態から)加速するのに用いる後輪駆動は、クランクに取り付けられたチェーンリング(TA)により後輪に取り付けられたBMX用フリーホイールをごく普通の自転車用チェーンにより駆動します。

クランク周り

プロペラ(シャフト)の駆動には工業用チェーン(ピッチ=6.35mm)を用いました。プロペラの駆動は足元側のクランクと回転方向が90度異なるため、チェーンを3次元的にひねって使用する状態では駆動すること自体は可能でも駆動効率の低下は否めません。そこで95年度は94年度に製作したギアボックスを(一部新規に外注した以外は)再び流用し、駆動効率の向上に努めました。

ギアボックス

ギアボックスはチェーンのラインを90度変えています。下の方に見えるクランクにペダルを通じて注がれたパイロットのパワーは、チェーンを通じてギアボックスに入り、回転方向を変えて再びチェーンに伝達、そしてプロペラシャフトを駆動します。

テンショナー

テンショナーはプロペラ-ギアボックス間にのみ設けました。また、歯飛びを防ぐためのチェーンガイドを新たにクランク-ギアボックス間に設けました。

イス及び背もたれ

すべて、バルサとスタイロフォームと発泡スチロール製です。

イス及び背もたれ

イスには後輪駆動用チェーンとの干渉を避けるための穴が空いています。ちなみに上の写真のものはその後の試験飛行で強度不足であることが判明し、バルサ部分を肉厚のあるベニヤ板に変更しました。

前・後輪

前輪

前輪は市販の補助輪用のキャスターを流用しました。これを片側からボルトを締め込んで固定します。摩擦が生じる全ての部分にはオイレスベアリングが仕込んであります。

後輪

画像は小さいけれど、前輪よりはずっと大きい後輪。一般にある20インチホイールです。

センサー類

今年度はペダル回転数計のみ装備しました。また、パイロットのペダリングを補調する目的で電子メトロノームをコックピット内に設置しました。

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