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覚え書き、それはいわゆる日記的なもの。カテゴリ別・月別アーカイブもあります。

Raindrop.io Bookmarks 2025-12-14

個人サイトの「やめ時」

個人サイトを語ろう Advent Calendar 2025の14日目として書きたいのは、この個人サイトの「やめ時」をいつにすべきか、ということ。人生100年時代なんていうけれど、50歳を過ぎれば嫌でも自分の終活を考え始めざるを得ず......とはいえ四半世紀にわたり当サイトの運用を続けてきただけあって、ちょっとした愛着もあるし、なかなか簡単には決め難い。

費用面は、大きな問題ではありません。まずホスティングの費用として、さくらのレンタルサーバ スタンダードのサービス利用料が6,600円/年かかります(毎年5月の契約更新)。あとはTonicと契約しているkazuhi.toドメインの維持にかかる費用で、こちらはすでに2031年5月までの費用を払い終えています(kazuhi.toドメインの契約更新参照)。CMSは、Movable Typeを個人無償ライセンスで利用しています(ありがとうございます!)。

なので、1つの案としては、現在のドメイン利用契約が期限を迎える2031年5月を「やめ時」、サイトを完全にアクセス不能とするタイミングに見据えて、段階的に更新停止期間を設けたり、逆SEO的なことをやるのがいいかなと。しかし仮に、それ以降もWeb業界の片隅で生きていくとしたら、名刺代わりに運用を継続したいかな......同じドメインで四半世紀も存続する個人サイトは、稀有なはず(要調査)。

ただまぁ、そうなると2031年5月の時点でドメインを何年ぶん契約すべきか、悩ましい。いっそもう25年ぶん契約して、50年=半世紀にわたるkazuhi.toドメインのサイト運用を目指すか?などと思わなくもない。70代の半ばを過ぎてなお細々とコンテンツの更新を続ける自信はないけれど(たぶんそれより前に死ぬだろう)、もはや完全に維持すること自体が目的になりそう。

いま1つの、起きて欲しいけど多分起こらない展開としては、ご著名ないしご高名な他の「かずひと」さんが将来、kazuhi.toドメインの買取を打診してくるケース。高値で売れるなら即、当サイトは閉鎖のうえドメインを売り渡すのだけど......1億円なら即決ですが、どうですかお客さん(誰)。まぁ無理だよね、過去25年のあいだにその種の相談を受けたことすら一度も無いもの。

Raindrop.io Bookmarks 2025-12-13

彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学

彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学』を読み終えたのはだいぶ昔のことだけど、覚え書きしていなかったので、読書感想文 Advent Calendar 2025の13日目の記事として書きます。

本書は基本的に地球外知的生命の探査、SETIを軸としながらも、実にさまざまな話題を総花的に扱っていて、めちゃくちゃ面白かったし考えさせられました......とりわけ人類文明の持続可能性について。しかし、その語り口は決して小難しさを感じさせず、読みやすい。

本質的に利他的な社会ほど生き延びやすく、惑星内の激しい戦争や環境破壊、文化の崩壊によって、あるいは破局的な小惑星衝突などの外的脅威を前にして協力できないことによって自滅する可能性が低い。

昨今の世界情勢を見るにつけ、人類が自滅する可能性は残念ながら高まっているように感じるけれど、それはつまり社会全体が利他性を失う方向に偏りつつあるってことで、実におそろしい。そういう傾向には、ささやかであっても可能な範囲で死ぬまで抗い続けたいものです。

利他行動がもたらしうる暴力や行為は、それを受ける側にとっては利他的でない。地球外文明がみずから完全に利他的にふるまうとしても、それはわれわれには恩恵のない行為かもしれないのだ。

そもそも「利」とは何かが、文明単位で異なることを想定しないといけない、というのはごもっとも。共有可能な文脈とは何か、逆に相容れない価値観がどのあたりかを含め、コンタクトの際に把握すべき事柄は多い。もっとも人類文明の側にしたって、何が「利」かについての統一的な見解を作るのは難しいかもしれず、ややこしい。

ハビタブルゾーンに存在するからといって、その惑星がハビタブル(生命が居住可能)であることを決して保証するわけではないし、大気や水があることさえ保証しない。それに、ハビタブルゾーンの概念には、われわれに思いつける、ハビタブルとなりうる環境のすべてが含まれているわけでもない。

生命の定義によっても、ハビタブルゾーンは変わり得ますよね。地球上で確認される生命にとってハビタブルでなくても、別の定義の生命にとってはハビタブルという環境は当然、存在し得るわけで。てなことを考え始めるとハビタブルゾーンという言葉、概念に正直、価値を見出しにくく感じます。

時間が組織に加えるエントロピーに打ち勝つ最良の手段は、パラドックスのように聞こえるものだと彼は語る。生き延びるために、組織は変わりながら同じままでなければならない、と。

上記の彼とは、レスター大学の経営学教授、カール・ローズ氏。組織の目標は「変化と安定のバランス感覚をもつに至る」ことでなければならないともあって、実にわかりみが深い。組織ではなくいち個人の立場でも、どこまで変化を受け入れ、どこから先は受け入れないべきか、日々悩みながら生きているものだから。

気候危機に対処するうえでとくに大きな問題は、われわれ自身の無知と、欲深さと、問題の解決をほかのだれかに任せる傾向だ。

あーあー耳が痛い。いつだって今この瞬間が正念場、実践できることを考えよう......。

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