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Re: いわゆるウェブサイトの「障害者対応」のページについて

いわゆるウェブサイトの「障害者対応」のページについてを読んで思ったことは基本、Twitterでつぶやき済みではあるのですが、一応(謎)こちらにも覚え書きしておこうと思いました。

JIS規格に準拠してウェブサイトを構築しても、レイアウトが複雑だったり、一ページの情報量が多すぎて読み上げソフト利用者には使いづらいサイトになる可能性もあるが、レスポンシブウェブデザインで製作すれば、少なくともスマホ利用を想定した線形のコンテンツも想定するだろうし、それにモバイルファーストをかみ合わせれば、必要な情報がすぐにたどり着くように、また、無駄な情報がそぎ落とされるようになるのではないか。

マルチデバイス対応(あるいはモバイル対応)とアクセシビリティ確保とで求められる品質なり施策は、かなりオーバーラップしていると認識しています。どちらも結局は、多様なユーザーが多様なデバイスで Web を使う時代において、どれだけ多くのコンテキストをカバーするかという命題に尽きます。この辺りについては、Webサイトをあらゆるデバイスに対応させるにはアクセシビリティを確保するしかないとか、Webサイトをマルチデバイスに対応させる、たった一つの方法でも書いてきたこと。

障害者対応のページ、或いは、テキスト版のサイトが必要であるという認識が広まることは、逆にそういうサイトを設け無ければ、いわゆる「障害者対応」ができないという認識が広まることになり、普通は同じサイトに複数のインターフェイスを持つことはなかなか困難なので、自分のところは「障害者対応」はできないんだというあきらめがひろまってしまうことを恐れている。

テキスト版と称して、テキストのみで構成された別バージョンのWebページを作るというアプローチについては、どちらかというとアクセシビリティ対応というより、視覚障害者向けのユーザビリティ対応ではないか、という持論があります。音声でコンテンツを読み上げさせる、というコンテキストに目一杯寄せた(そういう目的に特化した)デザインは、全体最適化ではなく部分最適化を目指したものと映る一点において、自分はそれをアクセシビリティ対応の一環には認めたく無いと考えます。この辺りについては、Re: 第18回 XHTMLの設計〜状況に合った要素選び(3)〜とか、スクリーンリーダーの読み上げ方を気にし過ぎることなかれで書いてきたことと一部、重複します。

最後に、レスポンシブWebデザイン(RWD)とアクセシビリティの関係について触れておきます。狭義の(原義が語った範疇の)RWDは、多様な解像度の画面でWebサイトを利用することが当たり前になってようやく確保された、視覚表現におけるユーザビリティであり、アクセシビリティでもあると考えられます。件の記事にある言及については、レスポンシブWebデザインは「分けて考えない」でうまくいくとかレスポンシブWebデザインとアクセシビリティで書いたことが関連するでしょうか。

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