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あすも飛ぶ

あすも飛ぶ - 日本大学理工学部人力飛行機の50年』は、日本大学理工学部航空研究会(NASG)がその50年にも及ぶ歴史を一冊にまとめた、素晴らしい本。発売日が2016年2月27日、つまり日本初の人力飛行が行われてからちょうど50周年にあたる日になっているところからして、本書の製作責任者でいらっしゃる安部先生の強いこだわりを感じます。

半世紀ともなれば当然、その道のりは決して平坦な一本道などではなく、途中さまざまな紆余曲折があって然るべきですが、「50年の歩み」という章においてこれまでを黎明期、発展期、改革期、飛躍期、挑戦期という5つに分類されていたのが興味深い。自分が大学に入学し人力飛行機に関わり始めたのは、NASGの歴史で言えば改革期の終わりごろのことになります。

本書はとにかく資料性が高く、初めて目にするような写真も多く掲載されているのですが、読み応えがあるのはやはり「各機の開発者が語る」の章でしょう。一機につき見開き2ページが割かれ、向かって左のページに主要メンバーや主要諸元、機体の写真が載せられ、右のページには開発者の一人(必ずしも主将とは限らず、パイロットの方が書いたりもしている)が当時の思い出などを綴っているのです。分量的に到底まだ読み終えていないけれど、執筆者ごとのカラーがあって飽きません。そうであるだけに、宮脇さんの優勝機、Sakuzo IVの項がないのはとても残念。

Sakuzo VI / Team Typhoon #09 プチ同窓会で書いたように、僕は本書をMöwe 14&Sakuzo VI のパイロットを務めた瀬尾さんからいただいてしまったのだけれど、本書の電子版がもし発売されたなら、是非とも購入したいと思っています(Kindle化リクエスト済み)。その資料性ゆえ、本書はきっとずっと手元に大事に取っておくことになると思うけれど、紙はどうしても傷みますし、そういうことを気にし始めた途端に持ち運びにくくなってしまって。電子版では、掲載の写真がカラーになってくれると尚嬉しいです。

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