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エッセンシャル思考

少し前の50%ポイント還元セールの際に買ったKindle本の一冊が『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』。どんな内容の本か、というのは書店店頭で軽く立ち読みして知ったうえで買ったのですけど、面白かったです。人生80年と仮定すれば、既に折り返し地点を通過しているからこそ、本書で解説されているエッセンシャル思考というのは大事だなと感じました。もちろん若い人にとっても読み知って損はない発想だと思いますし、まだ小学生の息子にも語って聞かせたい内容だ、とすら思いました。

エッセンシャル、と聞くと個人的にはどうも花王のシャンプーなんかのCMが思い浮かんだりもするのですが、もちろんここで言うエッセンシャルとは本質的の意。そしてエッセンシャル思考とは「より少なく、しかしより良く」を追求する考え方であり、トレードオフを直視し、何かをとるために何かを捨てるアプローチであり、どうすれば最高の成果が出せるかを意識して、たくさんのどうでもいいことより、数少ない本質的なことを全力で追求する思考。時間にしろ体力にしろお金にしろ、自分にとって利用可能なリソースには限りがあるからこそ、しっかりリターンを意識して(ROIを最大化すべく)行動する、とも表現できようか。本書で初めて知った「教えてください、あなたは何をするのですか/その激しくかけがえのない一度きりの人生で」というメアリー・オリバーの詩は、印象的かつ象徴的でした。ほかにも印象的だったくだりとしては:

努力は大切だ。だが、努力の量が成果に比例するとはかぎらない
この単純な事実を身をもって理解するには、自分はあまりに多くの時間を無駄に受験勉強に費やした感があります。中学受験や高校受験の時点では、まだちゃんと理解できていなかったと思いますね。大学受験に失敗し浪人になってようやく......という感じだったか。
活動的で向上心あふれる人にとって、自分を酷使するのは苦痛でも何でもない。本当に難しいのは、働きすぎないように制御すること
大学卒業後、晴れて宇宙業界に仕事を得た当初は、もう本当に仕事にのめり込みすぎてやばかったなぁ。まさに、自分を酷使するのなんて苦痛でも何でもなかった......当時は若かったですしね。結果的に、仕事が好きすぎて精神的に参ってしまうという、実に逆説的な結果になったわけだけど。
睡眠を削ればもっと働ける、と考えているのかもしれない。数々の証拠が、それとは逆の結果を示しているというのに
さすがにもう徹夜できない(しようにも勝手に寝落ちしてしまう)身体だけれど、まぁ、若いときは本当に睡眠を削ることで見かけ上の可処分時間を伸ばそうと必死だったな。一点集中、一点突破な場面では、それが有効に機能することもあるのだけど、年老いた今となってはそうも言えない。
人生はあまりに短い。それは悲しむよりも、むしろ喜ぶべきことに思える。短い人生だからこそ、勇気を出して冒険できる。間違いを恐れずにすむ。
僕はまだどちらかと言えば人生の短さを悲しむほうな気がします。でも、僕よりも若くしてこの世を去らざるを得なかったひとは大勢いるし、それを考えればこそ日々「生きててラッキー」だとも思います。終わりがあるから生きていける、終わりがあるから人生は楽しい。そういう発想に徐々にでも舵を切り、エッセンシャル思考を実践していきたいなと。
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