@kazuhito
Kazuhito Kidachi's Personal Web Site Since 2000

女生徒

同僚のKさんにDVDをお借りして、アニメ『女生徒』を拝見しました。僕は行けなかった、というか現在も場所を変えて開催中なので正確には「まだ行っていない」、美少女の美術史という展覧会のために作成された作品です。この作品で遊佐未森さんが朗読を担当されており、以前から気になってはいたのですよね。コンサートのMCでも何度か言及されていましたし。

時間的には短い作品ながら、その世界観には強く惹かれるものがありました。全編を通じ画面を埋める淡い感じの色使いに、不思議と懐かしさを強く呼び起こされる絵柄とが相まって、何か絵本を読んでいるようで、紙芝居を見ているような、不思議な質感を覚えます。遊佐さんの声もそこにうまく溶け込んでいたと思いますね。

太宰治の書いた原作にもつい興味が湧いて、古典ゆえKindle版が0円で買えたものだから、さくっとダウンロード&読了しました。朗読されたより多くの文字量をもって改めて物語全体を俯瞰してみたのですけど、子供でも大人でもない、成人を前にして揺れ動く心の機微が実に興味深く表現されているなと(「女性の」それを体験したわけではないので真偽はわからないけれど)。たとえば次のくだりは結構お気に入り:

自分の個性みたいなものを、本当は、こっそり愛しているのだけれども、愛して行きたいとは思うのだけど、それをはっきり自分のものとして体現するのは、おっかないのだ。

現在地:ホーム > 覚え書き > 月別アーカイブ > 2014年10月 > 女生徒
Google カスタム検索を利用しています